夫が「部長」への昇進を断りたいと言っています。課長のままより「お給料」は増えると思うのですが、やはりそれだけ“仕事の負荷”も増えるのでしょうか…?
最近は特に若手社員を中心に、管理職への昇進に興味を持てない、昇進の話があっても断るという人が増えているといわれています。 実際のところ、どれくらいの割合の人が「出世」に興味がないのでしょうか。また、その理由はどのようなものなのでしょうか。現在の日本における「課長」「部長」の給与待遇とともに調べてみました。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
現在の日本企業における課長・部長の待遇は?
まず、現在の日本企業において、いわゆる「課長」「部長」と呼ばれるランクの役職に就いている社員は、どれほどの待遇になっているのかをデータで確認してみましょう。 厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、「部長」の平均賃金は月59万6000円、「課長」の平均賃金は49万800円となっています。ちなみに「係長」の平均賃金は37万800円です。 この数字はあくまでも日本企業の「平均賃金」であり、会社によって大きく金額に幅があることは考えなければなりませんが、おおむね収入は「課長級から部長級」への出世によって、2割強程度は引き上げられる傾向があると思われます。 例えば、ある会社において課長級社員の年収が600万円程度であるならば、部長級では年収720~730万円程度が支払われていると予想されます。 課長から部長への出世を打診された人は、部長職になることで増加する責任・業務量と、「部長級」が「課長級」より多く支給される約120~130万円の年収とを比べることもあるでしょう。検討の結果、給与増よりも責任・業務が増えることを嫌って、出世を断るパターンはあると思われます。 なお、賃金構造基本統計調査によると、部長の平均年齢は52.8歳(勤続年数22.5年)であるのに対して、課長の平均年齢は49.2歳(勤続年数20.9年)と、両役職の年齢差は3歳半程度、勤続年数の差はわずか1年半程度になっており、課長まで出世した人は、それほど期間を置かずに部長級へ昇進しているパターンがあると考えられます。課長から部長への出世が急であり、戸惑いを覚えて出世を辞退するというケースもあるかもしれません。