F1第12戦、ハミルトンが母国イギリスで涙の復活優勝、メルセデスは連勝【イギリスGP 決勝】
典型的なブリティッシュウェザーによって目まぐるしい展開に
2024年7月7日(現地時間)、F1世界選手権第12戦イギリスGP決勝がシルバーストン・サーキットで開催され、メルセデスのルイス・ハミルトンが優勝。2位はレッドブルのマックス・フェルスタッペン、3位にはマクラーレンのランド・ノリスが入った。角田裕毅(RB)は10位に入り、1ポイントを獲得している。 【写真はこちら】勝負どころとなったのは、インターミディエイトからドライタイヤへの交換タイミングだった(全7枚) ドライから雨、そしてまたドライへ。週末を通してのべ48万人もの大観衆がつめかけたイギリスGPは、典型的なブリティッシュウェザーによって目まぐるしい展開となった。 序盤のドライコンディションで優勢だったのはフロントロウを独占したメルセデス勢。しかし、16周目あたりから降り出した雨によって路面はところどころで濡れたコンディションへ。ここでマクラーレンが勢いを増し、20周目にはノリス、オスカー・ピアストリの1ー2体制になる。 一方、メルセデス、マクラーレンに対してまったくペースの上がらなかったレッドブルのフェルスタッペンは、上位陣では真っ先にインターミディエイトタイヤへの交換を決断。ここで4番手まで順位を落としていたポールシッターのジョージ・ラッセルをアンダーカットすることに成功し、さらに28周目には、ドライタイヤで長く走りすぎていたピアストリが6番手まで後退したことで3番手まで順位を上げる。 34周目にはラッセルが冷却系と見られるトラブルでリタイアし、これで上位3台はノリス、ハミルトン、フェルスタッペンのオーダーとなった。
命運分けた天候とタイヤ戦略、ハミルトンが2年半ぶりの勝利
次第に雨は上がり、次の勝負どころとなったのはインターミディエイトからドライタイヤへの交換時。 先に動いたのはメルセデスとレッドブルだった。38周目にハミルトンがソフト、フェルスタッペンがハードへとそれぞれタイヤを変更。首位のノリスは1周遅れでピットに入ったが、ここで停止時間4.5秒とやや遅れを取ってしまう。ノリスがソフトタイヤに交換してコースに戻った時には、ハミルトンの先行を許していた。 そして急速に乾いていく路面に、レース終盤はソフトタイヤ勢が劣勢になっていく。とくにノリスのタイヤの消耗は早く、48周目にはついにフェルスタッペンに2番手のポジションも奪われてしまう。 一方、首位ハミルトンもタイヤの消耗に苦しみ、フェルスタッペンに差を詰められるものの、最後まで粘ってチェッカーを受け、2021年のサウジアラビアGP以来、約2年半ぶりとなる通算104勝目を挙げることになった。 ウイニングランでは涙も流したハミルトンは「勝てなくてタフな時期が続いたけど、気持ちを切らさず前だけを向いて進んできた。メルセデスで最後になる地元のグランプリでどうしても勝ちたかったんだ」と喜んだ。 一方、中盤まで大苦戦のレースを2位で終えたフェルスタペンは、ランキング2番手のノリスとのポイント差をわずかに広げることに成功している。