アーティスト目指す人たちのサバイバル 歌手LUNAあきらめない原動力は
生活のため電気工事士の資格も取得
歌という主軸を忘れず、表現力に役立つという観点からモデルの仕事も始めたLUNAさんですが、それだけでは当初は生活が成り立たなかったと振り返ります。 「最初はアルバイトで生活をつないでいました。古着屋さんの査定やダンススタジオの受付事務、コンビニでも働きました。それと私、勉強して電気工事士の資格を取得したんです。電気盤みたいなものを作ったり、天井の上に入って配線したり、それは歌には関係ないようですがそのおかげで音響もある程度自分で組めるようになったんです(笑)」 東京に来て7年。ようやくここ2年ほどで歌、撮影、配信で生計を立てられるようになってきたと言います。ライブハウス出演やアルバムリリースなど本業の歌を主軸に、それを支えるようにモデルの仕事、ライバーとして配信の活動をしています。 「ライブに来てくださった方が撮影セミナーにも来てくださったり、逆に撮影で私を知ってくださった方がライブにいらしたり、といったご縁をいただいています。そんな流れから今度はリハーサルを撮影できるようにしてみたりと、いろいろ試みています」 1月21日にはリハーサル撮影できるライブも開催するそうです。
騙されたことも あきらめない原動力とは
しかしコロナの影響でライブが1年延期になるなど苦戦することも多かったようです。とくに、騙されたこともあったと悲しげに明かしてくれました。 「『メジャーデビューさせてやるって言って下さった方がいて、その条件が『イメージDVD』への出演だったんです。ある日突然『撮影があるよ』って言われて、驚いてしまって。『この撮影に行かないんだったらデビューはなしだ』みたいな」 そんな思いもしながらけっして夢をあきらめずにいられたのはなぜでしょうか。負けず嫌いのほかに何が原動力になったのでしょうか。 「それが良い考え方なのかはわからないのですが、私の中では歌以外に選択肢がないんです。だからあきらめるっていう選択肢がなくて、これでやるしかないって。自分はこれ以外に出来ないと本当に心から思っているんです。それと、周囲への感謝です。応援してくれる親や友達がいて、心配かけてるし、自分の中でちゃんとしなきゃって思えるし、そういう思いがプラスαされて自分を守れたんだなと思います。胸を張って応援してねって言える自分でありたいんです」 先日のこと、母親の誕生日にお祝いの連絡をしたそうです。 「『心配かけてごめんね。自由にやらせてくれてありがとう』って。そうしたら母は、『最初は本当に心配が強かったけど、今はママはあなたがやりたい仕事を出来ていることがすごく誇らしいし、良かったなと思ってるよ』って言ってくれました」 LUNAさんのけっしてあきらめない気持ちと着実な積み重ねが今日につながっているようです。 (取材・文:志和浩司 写真:Laskeypictures.) ■LUNA(るな) 1997年8月北海道小樽市の出身。 恋の切なさや愛の辛さなど恋愛をテーマに歌うシンガー。東京を中心に歌手の他にもTVCMや広告モデル、タレント等マルチに活動している。 2019年7月『中居正広の金曜日のスマイルたち』赤服レギュラーとして出演。 2020年7枚のシングルをリリース。同年10月リリースの6thシングル『前に』がiTunes J-POPトップソングチャート1位を記録(トルコ/2020年10月)。2021年、江古田マーキーにてワンマンライブ開催。同年3月から株式会社ケンコー・トキナーのポートレートワークショップ専属モデルとなる。2022年4月、1stアルバム『心奥』リリース。2023年1月17日、12th シングル『片想いレース』配信開始。1月21日、新宿BAN×KARA ZONE-DSでリハーサル撮影ができるライブを開催。