山本周五郎賞作家の朝倉かすみさん、最新作で描いたのは平均年齢85歳の超高齢者読書サークル
そう話す朝倉さんが、今、気になる可愛いものとは? 「またぎに憧れるエゾシカの『またぎのもみじちゃん』というキャラクターが好きで、特に“暴言クリアファイル”が気に入って集めているんです。『アイツ狩ル』とか、またぎのもみじちゃんが暴言を吐くのが可愛いんです(笑)」
一人行動が多いからアリバイを証明してくれる人がいない
最後に朝倉さんから、読者に次のようなメッセージをいただいた。 「本を読むと自分の知らない非現実の世界にあっという間に行くことができるんですよね。ぜひ読書をしてその醍醐味を味わってもらい、面白いと思った本は広めてもらいたいですね。その本が『よむよむかたる』だったら、著者として、とても幸せです」 最近の朝倉さん 「普段から一人で行動することが多いので、万が一、事件に巻き込まれたときにアリバイを証明してくれる人がいないんですよね。それに、昔の殺人事件のことが気になってネットで調べたり、図書館で関連書籍を借りたりもしているので……。履歴だけを見たら、ちょっと異常者に思われるのではないかと心配になることがあります(笑)」 『よむよむかたる』 朝倉かすみ 文藝春秋 税込み1870円 取材・文/熊谷あづさ 朝倉かすみ(あさくら・かすみ)/1960年北海道小樽市生まれ。2003年『コマドリさんのこと』で北海道新聞文学賞、2004年『肝、焼ける』で小説現代新人賞を受賞しデビュー。2009年『田村はまだか』で吉川英治文学新人賞、2019年『平場の月』で山本周五郎賞を受賞。他の著書に『ほかにだれがいる』『てらさふ』『満潮』『にぎやかな落日』など多数。