太田格之進と“あの号泣少年”が富士で対面、予選前にダンディライアンのピットを訪問/スーパーフォーミュラ
8月の2024スーパーフォーミュラ第5戦もてぎで、優勝目前でマシントラブルによりスピンを喫した太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。その直後、グランドスタンドで観戦していた少年が大号泣する様子が公式映像で放送され、話題となった。あれから約1カ月半が経ち、その少年と太田が、第6・7戦富士スピードウェイで、ついに対面を果たした。 【写真】泣きながらピットへと戻る太田格之進と、声をかける佐藤琢磨HRCエグゼクティブアドバイザー これは、号泣シーンを映像で見た太田が「この子をサーキットに招待したい」と言ったことがきっかけとなったもの。その想いにJRP日本レースプロモーションも協力し、もてぎのレースから数日のうちに少年のご家族とコンタクトが取れ、この富士大会への招待が決定した。 ■SNSをチェックして「スゴイことになっているぞ!」 今回は2レース開催ということで、朝9時から予選が行われるが、その1時間前に家族でダンディライアンのピット裏に到着。もてぎの公式映像には映っていなかったが、3歳上のお兄ちゃんも脇で悔し涙を流していたとのこと。兄弟そろってダンディライアン推しとのことで、赤色のチームシャツを着て、牧野任祐と太田のマシンを描いた絵を持参していた。 そこにレーシングスーツ姿の太田が登場すると、緊張した面持ちながら、持参した絵を渡していた。太田はそのままふたりをピット内へ案内し、これから走行を控えている6号車のもとへ連れて行く。そして実際に使用しているステアリングを持ってもらうなど、スーパーフォーミュラの車両を身近に感じてもらっていた。 あのもてぎを経てから、ご家族にとっては予想外の対面となった今回。兄のだいきさん(8歳)は「ちょっと緊張したけど、楽しかった」と感想を口にした。公式映像に号泣姿が映っていた弟のよしきさんは「前に鈴鹿で優勝したときから太田選手がカッコよかった」と話し、太田を推す熱量の高さがうかがえた。 今回のピット訪問実現について、おふたりの父親は「最初は『公式映像に映っちゃったね!』という感覚でいたんですけど、帰ってからハイライト映像を見ていたら『とんでもないことになっているぞ』となって……私もSNSで状況をチェックしていて『スゴいことになっているぞ!』と見ていたら、妻のSNSにJRPさんからDMが来て、本当にビックリしました」ともてぎ戦の状況を語ってくれた。 「実は、あの時も我々の周りで泣いている人がいらっしゃったんですよ。(カメラに)抜かれた我々だけ声をかけていただいて良いのかな? と思ったんですけど、SNSの拡散具合とか皆さんのコメントとかを見ていると……親の一存で断ってはいけないなと思いました」 「モータースポーツをPRするための一助になればという想いもあり、ありがたく受けさせていただくことにしました。たくさん応援してくれたファンの方々、運営の方々、チームの方々に本当に感謝しかないです」 ピット招待が決まったことを子どもたちに伝えると、かなり驚いていたとのこと。前日の夜も興奮気味で寝られなかったそうで「夜中の1時半くらいまで起きていましたが、今日は時間ぴったりに起きました! 普段、学校の時はなかなか起きないんですけどね」と苦笑いをみせていた。 注目の第6戦予選では、わずか0.004秒差で2番手となった太田。だいきさん、よしきさんと対面できたことについては「もちろんパワーにはなっていますし……さすがにここで勝たないとストーリーが完結しないので、勝ちます!」と気合いが入っている様子だった。 [オートスポーツweb 2024年10月12日]