アイドルに年齢制限はない? アラフォーアイドルは受け入れられるか
アイドルというと、多くの方が思い浮かべるのは10代~20代の世代のタレントではないだろうか。芸能界では長きに渡りその世代のアイドルが活躍してきた。そして20代も後半になってくると、いつアイドルを卒業するのか、卒業後の進路は歌手なのか役者なのかタレントなのか…などが話題になってきた。しかし今年、そんな慣習に抗うようにアラフォーアイドルのプロジェクトが新たに誕生し注目を集めているという。つんく♂制作の楽曲を歌うというが、果たしてどんなプロジェクトなのだろうか。
ネットで個人がアイドル名乗れる時代 芸能であればクオリティーが必要
今年2月に発足した「アラフォーアイドル輝け!プロジェクト」。2012年から活動を続ける「悪女時代」が、つんく♂×CAMPFIREの夢支援型プロジェクト「Dooon!」に「アラフォーアイドルのテーマ曲が欲しい!」と応募し採用。その楽曲をともに歌い盛り上げるグループを全国から募集しているという。いまのところ「悪女時代」に加えて名古屋を拠点とする「Shine4ever(シャインフォーエバー)」、東京の「情熱Dream」と「ねり★マドンナ」、新潟の「がぁがぁがぁるず」の5グループを筆頭として、2月時点で全国のアラフォーアイドル31組からの参加希望が寄せられているのだとか。応募資格は性別については自由で、年齢制限は1人で申し込みする場合は40歳以上、グループの場合はメンバーが35歳以上で、平均年齢40歳のグループとのこと。すでにプロジェクトの公式サイトが立ち上がっており、3月19日まで募集しているというが、想像を超える数の応募があったという。 「マイナーなグループを含めれば、以前から年齢層の高いアイドルグループは全国に多数存在していました。メジャーなグループでもハロプロならメロン記念日などは結成時こそメンバーは10代でしたが、解散時は20代後半のアラサー世代。お姉さん的存在感で根強いファンをつかんでいました。太陽とシスコムーンは解散したものの、2009年と2018年から2019年にかけて再結成されましたね。AKB48グループでも大人AKBという短期間の企画や、年齢上限をもうけず既婚者メンバーもいたSDN48がありました。80年代に一斉を風靡した南野陽子、森口博子、西村知美によるBlooming Girlsなるユニットもありましたが、現役ユニットとしてバリバリに売り出すというよりは、昔を懐かしむノスタルジックなニュアンスで話題になったといえるでしょう」(アイドル情報メディアの40代男性編集者) アイドルというものがどこからどこまでを指すのか、あいまいな部分もあるが、以前よりは年齢の幅も広がっているようだ。 「いまはネットで個人がアイドルを名乗れる時代。ライセンス制の世界ではないので、もはや本人がアイドルを自称していればアイドルなのだろう、とも言えます。しかしそうとは言え、芸能というカテゴリーに入れる以上はそれなりのバックボーンや、アイドルとしての実力、クオリティーがないと結局は長続きしないのではないでしょうか。渡辺美奈代さんのようにアイドルをとっくに卒業したアラフィフの芸能人でも、ルックスの可愛さからいまだ当時のファンの支持が衰えないケースもあります。今回はつんく♂さんの楽曲を歌うアイドルということで、これまでのアイドルの概念を拡大する方向で本格的なチャレンジが行われそうです」(前出・アイドル情報メディア編集者) 大人の魅力を放つアラフォーアイドルは受け入れられるのか? 期待しつつ見守りたい。 (文:志和浩司)