ワールドがライトオンを子会社に。買収の背景、ライトオンの業績+EC事業の現況+今後の計画まとめ
ワールドは10月8日、投資子会社であるW&DインベストメントデザインがライトオンにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。第三者割当増資とTOBを組み合わせ、最終的にW&Dインベストメントデザインの子会社にする。 買い付け価格は1株110円。上限とする株式(発行済株式の約53%株式)の買い付けが成立した場合、取得価格は20億円規模となる。TOB成立後もライトオンの上場は維持される予定。 創業家の資産管理会社である藤原興産を引き受け先としたライトオンによる第三者割当増資により、創業家は議決権ベースで株式の51.93%まで保有。創業家はTOBに賛同しており、W&Dインベストメントデザインは全株式を取得する。 今回のTOBは業績が低迷するライトオンをワールドグループが再建支援する形となる。ライトオンによると、2023年2月に取引金融機関から単独での事業継続が困難な可能性があるとの指摘、他社とのアライアンス検討が必要ありとの見解が示され、経営体制の抜本的な改革が要請されたという。 ライトオンはアライアンス先の検討を開始し、2024年2月にワールドへ打診。ワールドから「事業再生支援が前提であれば検討可能」との回答を得て、アライアンスのスキームと事業シナジーについて協議を始めた。ただ、ライトオンの業績は低迷し財務状況も急速に悪化。単独での事業継続が厳しくなり、6月にワールドに事業再生支援を前提としたアライアンスを正式に依頼。ワールドからTOBの提案を受け賛同した。 アライアンスによって期待される効果には「財政基盤の強化」「事業強化及び収益力の向上」をあげた。ワールドからの運転資金の支援によりライトオンの継続的な事業展開、第三者割当増資によるライトオンの債務減少。ワールドの事業運営ノウハウやファッション事業の支援サービスを最大限活用することにより、ライトオンの収益構造の抜本的な改革の実現が可能であるとした。