名古屋・河村市長、衆院選での政党候補擁立断念「今回はうまくいかんかった」
名古屋市の河村たかし市長は18日、市役所で定例記者会見に臨んだ。19日公示、31日投開票の衆議院議員選挙について、自身が代表を務める政党「減税日本」として候補の擁立は断念したと表明。「いろいろ努力して参りましたけど、今回はなかなかうまくいかんかった。残念極まります」と述べた。 名古屋市の河村市長、寄付について「時間をいただきたい」(2021年10月18日)
今後も国政に関わる意欲は示す
河村市長は2009年の初当選後、自身の公約である市民税10%減税や議員報酬半減などを実現するため、地域政党「減税日本」を10年に設立。市議会リコール(解散請求)を経て同党の市議を誕生させるとともに、石原慎太郎元都知事や橋下徹元大阪府知事らと組んでの国政進出を模索したこともあった。12年の衆院選では嘉田由紀子元滋賀県知事が代表に就いた「日本未来の党」の公認で愛知1区などに減税日本系の候補を立てたのをはじめ、国政選挙のたびに候補者を擁立しているが、議席獲得は果たせていない。 河村市長は今回の衆院選でも、前埼玉県知事の上田清司参院議員が旗揚げしようとしていた新党に合流する動きも見せたが、新党の結党自体がなくなった。 河村市長はこの日の会見で「今まではそれなりに新党の動きがあったが、今回はできなかった。最後まで作ろうとしとったけど」と説明。自身の国政転身もささやかれたことに対して、「私も市長は3期で辞めようと思っていたが、コロナがあり、署名偽造で冤罪的な疑いをかけられ、(市長を)辞めちゃいかんという声が多く、結局もう1回やることになった」と弁明した。一方で「新しい政治勢力を作らんといかん。士農工商社会を打ち破りたい」と今後も国政に関わる意欲は示した。
メダルかじり問題の寄付先「ちょこっと時間を」
表敬訪問に来た東京五輪ソフトボール代表選手の金メダルをかじった問題では、市長給料3カ月分(約150万円)を返上する特例の条例案が12日に閉会した市議会9月定例会で否決された。 これについて河村市長は「大変に残念なこと」とした上で、「私もやせ我慢ですけど、言った以上は貫く」として公選法に抵触しない範囲で寄付する意向を表明した。寄付先は「ソフトボールの協会なども(あり得るが)、名古屋に支部があるといかんらしい。そういう個別の(団体に寄付する)ことでもないんじゃないか。市民の皆さんが喜んでもらえるように考えておりますので、ちょこっと時間をいただきたい」と述べた。 (関口威人/nameken)