本気を出したら一斗缶を貫通!?ヤマアラシの針のような毛は生まれた頃から鋭いのか?東武動物公園に生態を聞いた
尾周辺の毛は「一斗缶が貫通する」
また、体にはたくさんの鋭い毛を持っているが、全てが危険なわけではない。 「刺さるのは尾の周辺の太く短い 毛(針) で、背中中央辺りの長い毛はそこまで硬くはなく刺さることはありません。また、お腹の毛もやわらかく、刺さることはないです」 では、どれくらいの硬さがあるのか? 谷仲さんによると、顔周辺から上半身は高級タワシくらいで、背中周辺はプラスチックのストローくらい。尾周辺は小枝くらいの硬さで「先が鋭く尖っているので、本気を出したら一斗缶が貫通します」とのことだった。 谷仲さんは過去に、その針が刺さった経験があるという。 「治療や移動のため、ちょっと無理やり動いてもらった時に怒られて、長靴に針が刺さったことがありますが、アッサリ貫通して脛(すね)にちょっと刺さりました」 刺さり方のイメージは、「割り箸と一緒に入っているつまようじに気づかず、うっかり指に刺してしまったのと同じ感じ」だったとのこと。 ヤマアラシから刺してくることはまずないが、安全のため、基本的に飼育員はヤマアラシと同じ空間に入る時は「熊手」などの身を守る道具を持って入る。 しかし、このときの谷仲さんは油断して持っていなかったため刺さってしまったとのことで、「私の自業自得です」と話していた。 身を守るために鋭い毛を持つ、アフリカタテガミヤマアラシ。その毛は体の部位ごとに太さや長さが違っていたり、体格や年齢ごとにツヤや薄さも異なるそうだ。動物園で見かけた時はよく観察してみると面白いのではないだろうか。
プライムオンライン特集班