【専門家・体験談】学習障害(LD)とは? 保護者はどうサポートする?
【ディスレクシア(読み書き障害)】 ディスレクシアとは、文字を「読む」ことに困難をきたす障害。 しばしば「書く」ことにも困難が生じるため「読み書き障害」と呼ばれます。 LDの約8割がディスレクシアを抱えているといわれ、LDの中核をなす障害です。 ディスレクシアの原因は、文字の意味をとらえる脳機能の低下にあると考えられています。 たとえば「さかな」という文字を見ると、多くの人は、頭の中に瞬時に「魚」のイメージを浮かべます。 「あおいうみを、さかながおよいでいました。」という文であれば、「青い」「海」「魚」……等のイメージがぱっと浮かぶので、どこからどこまでが単語か瞬時に判断でき、適切な区切りを入れながらすらすらと読むことができるのです。 このとき脳は、目から入ってきた一つひとつの文字を見分ける、音と結びつける、文字から意味のある単語のまとまりを見つける、単語の意味を理解する、文全体の意味をつかむなど、様々な作業を連動させつつ、一瞬でこなしています。 ところが、ディスレクシアの場合は、「さ」「か」「な」という文字一つひとつは読めても、それが「魚」のイメージと、瞬時につながりません。 ですから、読むのにとても時間がかかります。 また、文章を目で追いながら理解することが苦手なため、今どこを読んでいるかわからなくなったり、似た文字を見分けられなかったりするケースもしばしば見られます。
【ディスグラフィア(書字障害)】 特に「文字を書くこと」を苦手とする特性で、ディスレクシアと深いかかわりがあります。 これは視覚認知力が関係あるとされ、視覚から入ってきた情報を処理する機能が弱い場合は、文字の形や位置を認識することが難しくなります。 たとえばディスグラフィアのお子さまは文章を読み、意味を理解することはできても、それを文字に書き起こすことが難しく、鏡文字(上下はそのままで左右を反転させた文字)になったり、自分でも読めない形になったりしてしまいがちです。 しかし「正しく書くようにしなくては」と、字を書く練習ばかり繰り返しても効果はあまり見込めないことが多く、特徴に合った支援を行うことが大切です。 【算数障害】 数や量の概念の理解が難しい特性を指します。 数字の指すものが理解しづらいため簡単な計算ができない、暗算は得意でもくり上がりのある筆算ができないといったケースも見られます。 いずれにせよ、学校の先生やカウンセラーに相談、そして明確な判断は小児神経科や児童精神科の医師などから意見を聞くことが必要です。