【バイタルエリアの仕事人】vol.46 トルガイ・アルスラン|J1で12戦7発! 広島の救世主はなぜゴールを量産できているのか「日本のサッカーはとにかく速い」
「昔から闘志を前面に押し出すプレーヤー」
左右の足から繰り出される質の高いパスやシュート、類稀なテクニックから“紫の魔法使い”の異名を持つドイツ人MFは試合中、どんなことを考えてプレーしているのか。また、バイタルエリアを攻略するうえで意識していることとは――。 ――◆――◆―― 自分は昔から闘志を前面に押し出すプレーヤーで、それは今でも変わっていません。日本に来てから、リーグ戦だけでなくカップ戦にも出場しましたが、天皇杯・準々決勝のガンバ大阪戦(1-2)は、おそらく僕がピッチにいる間にビハインドを負って、そのまま敗れてしまった日本での初めてのゲームでした。 とても悔しかったのを今でも覚えていますし、チームの勝利はもちろんのこと、自分が試合に出ている間には絶対に負けたくないという強い意志を持って、いつも試合に臨んでいます。 プレーの面で言えば、周りを見ることがとにかく大事な要素だと思っています。たとえば先日(10月23日)のアジア・チャンピオンズリーグ2のグループステージ第3節・シドニーFC戦(2-1)では、相手が自分のプレースタイルをよく知っているというのもあり、かなりタイトにボールを奪いにきました。 それは試合前から自分も予想はできていたのですが、そんな相手に対してどう対応したのかというと、ワンタッチ、ツータッチでシンプルにプレーしたり、相手2、3人を自分に引き付けて味方に時間やスペースを与えるように徹しました。 もちろん自分が得点に直接絡むことも大事ですが、時には囮(おとり)になって味方を活かすことで、結果的にチームとして勝利が得られたら良いのです。 このようにピッチの状況を確認できていれば、自信を持ってプレーできたり、怖がらずにボールを受けられるようにもなります。 バイタルエリアでもそれは同じですが、ここでのプレーはより時間やスペースが限られるので、ボールをコントロールするのか、ワンタッチでプレーするのか、判断には特にこだわっています。 ※後編に続く。次回は11月30日に公開予定です。 取材・構成●中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)
【関連記事】
- 【バイタルエリアの仕事人】vol.27 宇佐美貴史|7番の主将が引っ張る新生ガンバは「強くなっていっている最中」
- 【バイタルエリアの仕事人】vol.37 乾貴士|「リズムを変えて相手の意表を突く」トップ下で輝く35歳の類まれなサッカーセンス「小学生の時から意識しているのは…」
- 【バイタルエリアの仕事人】vol.1 遠藤保仁|日本を代表する司令塔は攻守の重要局面で何を見ているのか?
- 【バイタルエリアの仕事人】vol.3 柿谷曜一朗|ナニワの天才が語る最重要エリアの魅力。手本にしている選手は…
- 【バイタルエリアの仕事人】vol.45 秋野央樹|長崎主将、30歳の誓い「新スタもできた。昇格する波が来ている」「18歳の時と気持ちは変わっていない」