酒井宏樹が語った浦和レッズ移籍理由「自分にプレッシャーや責任感、緊張感をもたらしてくれるクラブを探した」
来年11月にはカタールワールドカップが待つ。2014年のブラジル、2018年のロシアに続く3度目の大舞台へ不動の右サイドバックとして臨むためにも、レベルの高いヨーロッパでのプレーを継続させるべきではないのか。こう問われた酒井は、自身のなかで最も大事にしている2つの思いを優先させたと力を込めた。 「僕のなかでのプライオリティーは、常にクラブが一番なので。クラブでの充実感やモチベーションに、僕は重きを置いてきました。それがなければ毎日がつまらないものになってしまうので、特に(マイナスには)考えなかったですね」 とはいえ、日本代表での海外組と国内組の比重は、圧倒的に前者に傾いている。 たとえばロシア大会のレギュラー陣で、国内組は鹿島アントラーズのDF昌子源(現ガンバ大阪)だけだった。すべてが所属クラブで決まるわけではないが、それでもプレー強度が高く、激しいプレッシャーにもさらされる環境で恒常的にプレーしている海外組が、おのずと主力に名を連ねる傾向は森保ジャパンも変わらない。 酒井自身も現時点で「65」を数えるキャップのなかで、ハノーファーとマルセイユに所属した9年間で「62」を記録してきた。だからこそ「コンディションが落ちれば、森保監督も自然に僕を選ばなくなると思っています」と前を見すえ、浦和への移籍が決まった後に代表指揮官へ不退転の覚悟を告げたと会見で明かした。 「(代表が)無理なら無理でもう選ばれなくていい、という覚悟でここに来ていますし、そこはもう遠慮せずに、どんどん自分に言ってほしいと。代表チームはそれぐらい厳しい場所であると理解していますけど、僕自身もここでプレーすることが楽な道だとは決して思っていません。それぐらいの強い覚悟と責任感で臨んでいきたい」 酒井が二度言及した「ここ」とは、もちろん浦和を指す。オーバーエイジで選出されたU-24日本代表として臨む東京五輪を終えた後の、最も早くて8月9日の北海道コンサドーレ札幌戦(札幌ドーム)から幕を開ける新たな戦いへ。新天地へ与えられるものを問われると、酒井は「自分のすべてが長所だと思っています」と言い、こう続けた。 「ピッチの内外で求められるものを臨機応変に、自分にできるマックスでやるべきだと思っています。これまで何度もマルセイユと言ってきましたが、自分の経験は大事にしながら、プライドは捨ててゼロからまたしっかりとやっていきたい」