斎藤兵庫県知事がリベンジ再選!で見えた3つの「地獄」。私たちはSNSから何を得て、どう判断すればよいのか
SNSもマスメディアも
そもそも政治系のニュースは、その見出しを並べるだけで「これは○○新聞だろう」「○○テレビかな」って、だいたい分かりますよね。ニュースで使われる政治家の写真だって、批判したい時にはマヌケな顔写真を使う。視聴者も読者も、しっかり分かっています。そんな状況なのに「自分たちは中立です」なんて言っていたら、自浄作用が本当に効かなくなる。 私はマスメディアが扱うモノも含め、情報に「本当」も「真実」もないと考えています。人間が伝えるモノには、発信者の意図・狙いがどう頑張っても混じってしまう。伝えたいものは伝えるし、伝えたくないものは伝えない。これは情報の本質なので、どれだけ中立を叫んだところで、どうにもならないのです。 そういう意味では、ネットとマスメディアの情報に、本質的な違いはありません。今回の選挙がきっかけで「マスメディアは真実を伝えていない」VS「ネットは誤情報だらけ」の不毛な殴り合いがスタートしましたが、情報の受け手としてはどっちにも注意、としか言いようがないのです。 世の中の情報の大半は「一個人では正確にジャッジできないもの」だし、私たちは全領域の専門家にはなれません。全てのフェイクを見破ろうとすれば、うっかり騙されるケースが必ず起きます。 情報をバランスよく眺め、即決せずに保留する。フェイクニュースに負けない方法は、フェイクニュースと戦わないこと。ジャッジせず拡散させなければ、フェイクニュースはその意味を失い息絶えます。 これもフェイクと戦う方法の一つなのです。 Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員) ※本記事のタイトル・画像はFORZA STYLE編集部によるものです。
小木曽 健