兵庫・三木で「SAGA2024国スポ 馬術競技会」総合優勝は滋賀 “初老ジャパン”も来場で賑わい
第78回国民スポーツ大会「SAGA2024」の馬術競技会が、10月9日から13日まで、県外競技として兵庫県の三木ホースランドパーク(三木市)で実施されました。男女総合(天皇杯)は滋賀県、女子総合(皇后杯)は千葉県が優勝の栄誉に輝きました。 【写真多数】あまりに凛々しく美しい オリンピアンら有力選手による馬術競技の様子 今大会は、障害飛越・馬場馬術の計23競技に、成年男子・女子、少年の3カテゴリーで計約250人の選手と170頭を超える馬がエントリー。オリンピアンである杉谷泰三選手(大阪府、パリ2024など7大会)や福島大輔選手(千葉県、リオ2016・東京2020)ら多くの名選手も参加し、5日間にわたって熱戦が繰り広げられました。 「国体(国民体育大会)」から「国スポ(国民スポーツ大会)」に名称変更して初開催となった今大会は、競技も話題に富んだものとなりました。まず初日9日に、現役JRA障害ジョッキーで、小牧太騎手(兵庫競馬)を父に持つ小牧加矢太選手(滋賀県)が、成年男子ダービー競技を愛馬トゥアイクリスタルとともに制しました。 また、日本馬場馬術界の若手成長株とされ、初の成年カテゴリー出場となった日高凱斗選手(岡山県、乗馬:サー・ギャラント)は、規定・自由演技の2種目でともにオリンピアンの林伸伍選手(北海道)を上回る成績を収めて優勝。日本女子障害馬術界をけん引する平芳泰(たえ)選手(長野県)は、出産を経て2年ぶりに復帰した今大会で、兀地(ゴッチ)と組んで安定且つダイナミックな走行を見せ、2種目の頂点に立ちました。 開催県の佐賀県は、殊に高校生のジュニア勢が目ざましい活躍を見せました。国スポ初出場となった服部生(いく)選手は、愛馬コレクターと息の合った走行で、少年カテゴリー障害競技において2冠を達成しました。BUM(バム)フルールとともに少年自由演技馬場馬術競技に臨んだ野本葵選手は3位入賞。そして今大会で少年カテゴリーの最終競技となったトップスコア競技を、川下類選手が、自ら「絶好調でした」と評したレニンゼックスとのコンビで優勝して締めくくりました。 兵庫県勢では、成年女子自由演技馬場馬術競技に出場した稗田奈緒子選手が優勝。兄弟で参加した大谷永吉選手と大谷文志選手が、 少年リレー競技で2位入賞を果たすなどしました。 競技の総合成績、入賞は以下の通りです。 【男女総合(天皇杯)】 1位:滋賀県、2位:長野県、3位:千葉県、4位:奈良県、5位:北海道、6位:静岡県、7位:兵庫県、8位:茨城県、佐賀県 【女子総合(皇后杯)】 1位:千葉県、2位:滋賀県、3位:茨城県、長野県、兵庫県、6位:奈良県、7位:北海道、岡山県 今大会で新設された、個人の活躍を讃える表彰制度「The Good Player of SAGA2024」は、男女総合優勝の滋賀県から、国体総合馬術競技とスピードアンドハンディネス競技の2種目で1位となった山口敬介選手が「SAGA Pref. Presents 馬術最優秀賞」を受賞しました。 また、期間中は会場内でさまざまなイベントや企画も展開されました。 11・12日には、今年のパリ五輪総合馬術で92年ぶりに日本にメダルをもたらした“初老ジャパン”のメンバー、 同大会銅メダリストの戸本一真選手(JRA馬事公苑所属)が来場。競技解説や、表彰式での優勝者インタビューなどを通して会場を大いに沸かせました。 佐賀県 SAGA2024・SSP推進局 SAGA2024馬術競技会オフィス マネージャーの杉本久知さんは「天候にも恵まれ、予想以上の来場者にお越しいただいた」と5日間の賑わいに触れた上で、「新設した、メダルや入賞記念品の授与、個人の活躍にスポットを当てた表彰、表彰式での優勝者インタビューなどで“新しい大会”を感じていただけたのではないか」と総括。さらに「馬術競技解説や馬とのふれあい、佐賀の物産品販売などのイベントも好評で、馬術競技と佐賀の魅力の両方を伝えられたのでは」と、県外開催に手ごたえを実感した様子でした。 なお、来年2025年に滋賀県で開催される「わたSHIGA輝く国スポ」も、馬術競技は三木ホースランドパークで開催されます。
ラジオ関西