【40代・50代は知っておきたい】災害備蓄用の水や食料、どう保管するのが正解?
被災時をしのぐ水や食料の備蓄は必須。どんなものをどれくらい、どのように備蓄しておけばいいの? いつも食べているものの消費と補充を繰り返していく「ローリングストック」の正しい方法や、大量の水の保管について、防災に詳しい国際災害レスキューナースの辻直美さんに伺った。
被災時の食料は「何が必要か」より「どう食べたいか」
食料の備蓄と聞くと、乾パンや缶詰、レトルト食品などを思い浮かべる人も多いのでは? でも「結論から言うと、防災食に絶対的な正解はありません」と、国際災害レスキューナースの辻直美さん。 「よく聞くこれらの防災食は、温めなくても食べられるものが中心なんですね。例えばグラノーラやプロテインバーなどは平時でも被災時でも食べ方は変わりません。しかし、私は冷たいままのレトルト食品は苦手。そういう人にとって『温めないでも食べられる』というものは積極的に食べたいとは思いません。だからこそ、何を用意するかというよりも『どう食べたいか』でまずは考えるのがよいと思います。 温かいものをおいしく食べるには、カセットコンロとガスボンベの用意は必須。お湯を沸かすことができればレトルト食品も温かい状態で食べられるし、インスタントラーメンなども調理できます。キャンプが趣味で携帯用のガスコンロなどを持っている人は、それで十分です」 カセットコンロとガスボンベがあれば、特に「災害用」と考えなくても、普段食べているものをちょっと多めに用意しておけばOK。 「ローリングストックという言葉もかなり浸透してきましたが、いつも食べているものを少し多めに用意して、食べたら補充していくという方法がおすすめです。 ポイントは、賞味期限の近いものから手前に置いて消費し、食べたら新しいものを奥に補充していくこと。こうして賞味期限の近いものが自動的に前に押し出されていくようにすれば、ロスしにくいです。この方法で保管場所を常に満たしておけば、災害が起きたときに慌てて『食べ物を買いに行かなきゃ!』とならずにすみますよ。 食べ慣れない災害食では、いざというときに食べられなかったり、心がつらくなることも。また、乾パンなど『防災用』として防災リュックにしまい込んでいるものだと、久々に開けてみたら賞味期限切れ…ということもよくある話。 ロスさせずに、非常時でもおいしく食事をとるには、やはり普段から食べ慣れているものを普段から使って回すという、日常の延長に備えがあるのがベストです」