【40代・50代は知っておきたい】災害備蓄用の水や食料、どう保管するのが正解?
水はいろいろな場所に「分散保管」
水の備えは、一人当たり1日3L目安と言われている。内訳は飲用1L、生活用水2L。これをこの連載の第1回で紹介した「地震10秒診断」で割り出した断水日数分用意するのが基本だ。 「普段何気なく使っている水ですが、家庭で一人が1日当たりに使う水の量を知っていますか?東京都水道局によると、221L(令和3年度)。これは平時なので水洗トイレなどの水も含まれます。 もちろん、家庭でその量を備蓄できるわけはありません。しかし自分たちが普段どれくらいの量の水を使っているか知っておくと、1日3Lは本当に“最低限”の量なのだとわかります。 水の備蓄で皆さんが悩むのは保管場所。段ボールのままで置いておこうとするとかなりまとまったスペースが必要になります。例えばクローゼットの奥のほうに保管してしまうとローリングしづらいですよね。なので私はキッチン、リビング、寝室などの棚やクローゼットなど、家の中のあちこちに分散して置いています」 段ボールのまま置いておける場所があればもちろんよいのだが、バラしてしまえばいろいろなところに置くことができる。しまう場所がなければ、見た目的にもインテリアを損ねないおしゃれな紙袋に入れておくという方法も。そして食品のローリングストックと同様に1本使ったら1本買ってきて補充する、ということを繰り返していけばOK。 「防災用のアイテムとして『5年水』『10年水』といったものもありますが、普通のミネラルウォーターよりも割高です。あと、私は5年前の水を飲むのはちょっと抵抗があるので、普通のミネラルウォーターにしています。 普通のミネラルウォーターの賞味期限はだいたい1年。賞味期限は『表示された容量が確保できる期限』なので、未開封で冷暗所で保管していれば1年を過ぎても飲めます。容量は少しずつ減っていきますが、普段から使い回していけば1年以内に使いきれると思います。 長期保存水であれば、製造から10年経過後もpH・硬度・ミネラル成分にまったく変化がない商品もあるほどです。しかし、ペットボトルには気体透過性があるため、長年放置していると内部に空気が入ったり保管場所のにおいが移ったりすることも。できれば賞味期限内に消費してください。未開封でも、飲んだり料理に使うことに抵抗があったり、開封してかなりの日数放置している水は、例えば植物の水やりや非常食を温めるための水など、生活用水として活用するとよいでしょう。 地震が起きたときに、どこの部屋にいるかなんてわかりません。たまたまいる部屋のドアが開かなくなって閉じ込められたり、一括保管してある物入れの扉が開かなくなったとしても家中のいろいろな場所に水が置いてあればひとまずしのぐことができます」