ハウスメーカーの家に住んで5年、採用しなくて正解だった間取り&設備4つ
建築資材の高騰で、家づくりの費用は上昇の一途。頭の痛い問題です。5年前にハウスメーカーで注文住宅を建てた日刊住まいライターは、当たり前のように採用する、小上がりの畳コーナー、トイレの手洗い場など、4つのものをカットしました。結果、コストダウンに成功し、かえって暮らしやすさがアップしたと感じています。反面つくって後悔しているものも。詳しくレポートします。
家づくりであえてなくしたものは?
筆者は妻と子ども2人の4人家族。2019年にハウスメーカーで、延床面積30坪ほどの2階建ての注文住宅を建てました。 憧れの注文住宅、あれもこれも実現したいという気持ちを抑えて、あえてなくしたものがあります。それは以下の4つです。 1.畳コーナー 2.トイレの手洗い場 3.バルコニー 4.勝手口 通常は、なくすと不便だと思われるものばかりですが、住み始めて5年近くたっても、とくに困ることもありません。これらをなくすという決断をしたことで、限られた予算のなかでコストダウンもでき、よかったと思っています。 さっそく、なくした理由と実際に生活してみてどうだったかを、順にお話ししていきましょう。
1.畳コーナー:LDKが広くなり、38万円のコストダウンに
家の大きさの都合上、独立した和室を設けることは、もともと難しいと思っていました。そのため、LDKの一角に畳コーナーをつくりたいと考えていたのです。 上の間取りは、打ち合わせ当初の間取り図(図面左)と、最終図面(図面右)です。当初の間取り図では、ダイニングの横に畳コーナーがありました。 ここは息子の遊び場として使うことを想定していました。また、いずれ欲しいと思っていた第2子(この頃はまだ生まれていなかった)の、お昼寝スペースにも、活用できるかもしれないと考えていました。 しかし、冷静に考えてみると、「畳コーナーをつくることのデメリットの方が大きいのでは?」と思うように。 筆者は、吹き抜けのある明るいリビングとアイランドキッチンを希望していました。しかし、畳コーナーをつくると、キッチンスペースが狭くなり、ペニシュラ型のキッチンに。 また、南側にある庭に面した吹き抜けからも光が降り注ぐ、明るいリビングをつくろうとすると、畳コーナーはダイニングの奥しかつくれないことも気になりました。それでは、親のいるリビングからも離れた位置に。子どもが畳コーナーで遊びたがらない可能性大です。 わが家は共働きなので、仕事に出ている間に、お掃除ロボットを稼働させようと考えていました。しかし、畳コーナーをつくると、LDK全体を掃除ができなくなります。このことも気になったのです。 畳コーナーをやめたことで、フローリングの面積が広がり、LDKが子どもたちのお気に入りの場所に。また、アイランドキッチンも実現でき、家事動線がよくなりました。 さらに、畳コーナー設置のため少し広げていた坪数の削減も実現。これにより約38万円の削減(契約当時の坪単価から算出)となっています。 暮らし始めると、実際、子どもたちはリビングで過ごすことが多く、畳コーナーがあってもいまひとつ活用できなかったように感じています。