新型コロナ感染予防で変わる応援スタイル「タオルマフラー回し」「肩組み」も禁止…Jリーグが厳格ガイドライン発表
2月下旬から中断していたすべての公式戦を再開していく上で遵守が求められる「Jリーグ新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」の第2版が、12日にJリーグから公表された。 先月14日に公表されていた第1版に、定期的に実施していくPCR検査の詳細や各クラブが行うトレーニング内容、試合開催へ向けた移動や宿泊方法、そして無観客や観客を動員しての試合を運営するプロトコルなどさまざまな項目を追加。当初の25ページが71ページにまで膨らんだ。 一例をあげれば、トレーニングマッチの相手は感染防止対策が共有されているJクラブに限定され、高校生や大学生らの練習生参加も当分見合わせとなる。練習前後のミーティングはビデオ会議形式で行い、対面形式を望む場合は屋外でマスクを着用した上で、最低でも1メートルの距離を取って実施としている。 バスによる移動が2時間以上におよぶ場合は複数台を利用することが、宿泊する際は従業員や他の利用客との接触を減らすために施設単位かフロア単位で貸し切ることがそれぞれ要検討とされた。さらに原則として一人一部屋を使用し、部屋間の往来も禁止することが申し合わされている。 新型コロナウイルス感染を最大限防ぎながら公式戦を再開させ、各クラブやリーグの事業を継続させるために、ここまで徹底するのか、と思われるほど細かい部分にまで制限を設けた。もっとも、ガイドラインの遵守が求められる対象は選手やチームスタッフ、Jリーグ関係者だけにとどまらない。 今月27日にはJ2再開とJ3開幕を、来月4日にはJ1再開をそれぞれ無観客試合で迎える日程がすでに決まっている。ガイドラインではファン・サポーターが自主的に作成する横断幕をスタジアムの内外に掲出することを禁じた上で、下記の点に対しても協力を呼びかけていくことが定められた。 【1】スタジアムまたはその周辺に来場しない。 【2】できるだけ家にとどまって、モバイル機器、テレビを通じて応援する。 【3】友人と一緒にテレビ観戦する場合も対面にならず、会話を減らし、マスクをして社会的距離を確保する。 さらに、これらが遵守されない事態が生じた場合には、当該試合を延期する措置などを検討することも考えられる、とまで明記されている。インパクトを伴う「延期」の二文字を用いて、一歩も二歩も踏み込んだ形の協力を要請する理由を、Jリーグはガイドライン中でこう謳っている。 「無観客試合は新型コロナウイルスに対する社会全体の警戒度合いを、段階的に解除していく過程で採用される試合方式です。この段階では無観客であればJリーグ試合を安全に開催できることを、社会に向けて実証することが重要です。無観客試合の際、ファン・サポーターのみなさまが三つの密を作ってしまう恐れがないことを示していただくことで、速やかに次のステップに進むことができます」