衝撃!ビッグクラブの浦和レッズでさえ10億円の赤字…検討中の経営危機打開策とは?「役員報酬カット」「投げ銭」
予想をはるかに超えた深刻な爪痕が、新型コロナウイルスに見舞われた日本サッカー界に刻まれつつある。Jリーグのなかで群を抜く観客動員力を誇る浦和レッズが2020年度決算で、クラブ史上でワーストの金額となる10億円前後の赤字を計上する見通しであることが判明した。 2月下旬からすべての公式戦が延期され、来月4日のJ1リーグ再開後も無観客および最大5000人の制限付きでの開催が決まった状況を受けて、レッズは10日に販売済みのシーズンチケットの全額払い戻しに対応していく方針を発表。レッズを運営する浦和レッドダイヤモンズ株式会社の立花洋一代表取締役社長が、オンライン会見のなかで極めて厳しいクラブ経営に直面している現状を明らかにした。 「満員の埼玉スタジアムをなかなか見通せない状況が、私たちの経営のなかで大きな課題となっています。昨年度は過去最大の営業収益を計上した実績がありますが、いま現在では約20億円の減収が想定されています。収入を増やすためにいろいろな活動に取り組み、そうした成果も上がってきている状況ですが、それでも現状では10億円前後の赤字というものが可能性としてあります」 立花社長の言葉通りに、レッズは2019年度決算で82億1800万円とクラブ史上で最高額となる営業収益を計上した。収益の二本柱となるスポンサー収入と入場料収入を、前年度比で前者が6億1500万円増の38億4100万円、後者が3億7700万円増の23億円とそれぞれ大きく伸ばしていた。 レッズの事業構造は、他のJクラブと明らかに一線を画している。先月下旬にJリーグから開示された各クラブの昨年度決算を見ると、レッズと3月決算で未発表だった湘南ベルマーレとジュビロ磐田を除くJ1の15クラブは、営業収益に占める入場料収入の割合が約18%だった。 これがレッズになると一気に約28%へはね上がる。J1リーグ戦史上で最高となるトータル80万9353人、1試合平均4万7609人をマークした2008シーズンからは落ち込んでいるものの、それでも昨シーズンのレッズがマークした合計58万1135人、平均3万4184人はともにJ1最多だった。