エコス、ベイシア…スーパーのこだわりスイーツ エンゲル係数高めの今、節約疲れ癒やす
食品の値上げが相次いだ令和6年。節約ムードが広がるなか、ささやかなぜいたくを味わえるスーパーのオリジナルスイーツが人気を集めた。専門店並みの味や見栄えを目指して店内で手作りし、100~300円程度で販売。節約疲れの日常の癒やしとなっている。 【写真】その日焼いたシュー生地を使ったスーパー「エコス」グループの「関口シェフのクッキーシュー」 ■焼きたてシューにクリームたっぷり さくっと焼き上がった生地の中に、バニラビーンズ入りのカスタードとホイップ。黄色と白のクリームがきれいに絞られ、シューの切れ目からのぞく。これが1つ171円。 関東圏を中心に138店を展開するスーパー「エコス」グループのオリジナルスイーツ。22店で生地を毎日焼いて作る。 「専門店の品質を、毎日買い物に来るスーパーで目指した。手に取りやすい価格を意識した」と語るのは、エコス生鮮食品部のチーフバイヤー、関口浩さん。シュー生地の焼き加減は試作を重ね、開発に半年かけたという。 物価高が連日話題となった令和5年9月、「関口シェフのクッキーシュー」の名前で売り出すと、月に4000個ほど売れるヒット商品に。6年9月、全国のスーパーが自薦した364品から消費者が投票で選ぶ「全国スーパーマーケット おいしいもの総選挙2024」で、スイーツ部門の最高金賞に選ばれた。 スイーツ部門では、ほかにハローズ(本部・岡山県)のりんご半分を使ったデニッシュ(150円)などが金賞を受賞。安価で本格派なスイーツが並んだ。 ■新鮮な生フルーツパフェ、300円ちょっとで 切りたてのイチゴ、パイナップル、ブドウなどを盛ったパフェを322円で提供するのは、ベイシア(前橋市)だ。クリームたっぷりのクレープと合わせ、令和以降、店内調理のスイーツの展開を強化してきた。 クレープはチョコ味とイチゴ味のミニサイズ2個組みが214円、ホイップたっぷりのものが324円。最初は数店で始めたが、現在はクレープは65店、パフェは51店で販売している。 食費の節約が広がるなか、いずれも売れ行きは好調だという。「価格(の安さ)に相反するボリューム感、デザートのごちそう感があるといわれます」とはパフェ担当の同社青果部バイヤー、櫻井啓太さん。