エコス、ベイシア…スーパーのこだわりスイーツ エンゲル係数高めの今、節約疲れ癒やす
ベイシアでは一部店舗のフードコートでもクレープを調理して販売するが、スーパーの売り場に並べておくほうが「圧倒的に売れる」(第一惣菜部、堀本賢史さん)という。
「フードコートだと、注文から出てくるまでに少し待つ。売り場に並んでいるものは、タイムリーに手に取ることができる。価格のリーズナブルさだけでなく、タイムパフォーマンスの面でも支持されているようだ」と堀本さんは説明する。
■エンゲル係数高まり節約ムードに
支出のうち食費に使われた割合を示す「エンゲル係数」の高さも、今年は話題となった。令和6年は1~10月の平均で、28.1%。20年前と比べて5ポイント高く、昭和50年代後半あたりの値に近かった。内閣府の消費動向調査では、消費者の9割が「(今後も)物価が上昇する」と答えている。
「消費者のコストパフォーマンス(価格に価値が見合うか)への意識が高まっていて、自分へのご褒美として買うスイーツにもその傾向が見られる」と話すのは、洋菓子メーカー「モンテール」の広報担当、関根裕美さんだ。
同社が今年2月に発表した「スーパー・コンビニ スイーツ白書2024」(男女1000人が複数回答)によると、スイーツ購入場所の1位はスーパー(61.7%)に。3位専門店(25.5%)の2倍以上で、コンビニ(51.5%)も上回り、ふだん食べるスイーツの主な購入場所となっていた。
スーパーのスイーツの魅力では、回答のトップが「価格」だった。2番目の魅力に上がったのは「味・おいしさ」。安くておいしいスーパーのスイーツは、節約疲れの癒やしとなっているようだ。