荻原博子「電気代・ガス代の値上がりが続くこの夏、請求書を見て愕然とするかも…省エネ型になった<電気製品>で賢く節電を」
経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「電気代が高くても猛暑に負けない策を」です(イラスト:さかがわ成美) 【写真】「持病持ち、高齢でも入れて保険料が安い」と語る保険に気を付けて!と話す荻原さん。その理由とは * * * * * * * ◆電気代が高くても猛暑に負けない策を 暑い夏になりそうです。日本気象協会によれば、昨年に匹敵する猛暑になる可能性があるとのこと。 そんななか、心配なのは電気代です。4月には、再生可能エネルギー普及のために各家庭が負担する「賦課金」が、標準家庭で月平均836円の値上がり。 さらに、5月には段階的に政府の電気代・ガス代の「補助金」が廃止されるため、再エネ賦課金と合わせて、標準的な世帯では年間3万円前後の負担増になります。 さらに、中東で不安定な情勢が続いているためエネルギー価格は依然高く、それが「円安」でさらに値上がりするという悪循環です。この夏は、電気代の請求書を見て愕然とするかもしれません。 昨年もこのコラムでは、猛暑に備え「アンペアを見直す」「時間帯割引を使う」などの節約ポイントをお伝えしました。今年はさらに一歩踏み込んで、エアコンや掃除機など、家電の使い方の工夫や見直し方法をご紹介しましょう。
◆電気製品も省エネ型に 昔の家電と違って、今は多くの電気製品が省エネ型になっています。こうした製品の特徴は、スイッチを入れて起動する時に最も電力を必要とする一方で、いったん稼働を始めると、ランニングコストがかなり少なくて済むことです。 昔は「使わない時はマメに電気を切る」というのが節電の基本でした。ところが今は、たとえば20分くらい部屋を離れるだけならば、エアコンはつけっぱなしのほうが節電になるのです。 掃除機も同じで、部屋が散らかったままだと、スイッチを止めて片付けては掃除機をかけるという繰り返しになり、節電どころか余計に電気を使うことになってしまいます。ですから、まずしっかりと部屋を片付けてから、一気にかけるとよいでしょう。 自治体によっては、「省エネ家電促進補助金制度」を設けているところもあります。たとえば東京都では、今年9月末までにエアコン、冷蔵庫、給湯器、照明器具などを省エネ効果の高いものに買い替えた人に付与される、「東京ゼロエミポイント」を実施。ポイント数に応じた商品券やLED割引券が交付される仕組みです。 愛知県一宮市でも、エアコン、冷蔵庫、冷凍庫の省エネ型への買い替え費用を補助しています。「15万円以上なら3万円」など、対象家電の購入合計額に応じた補助金がもらえるのです。こうした各自治体の動きも、しっかりチェックしておくとよいでしょう。 電気代が高いからといって無理な我慢は禁物。上手に節約をして、快適な夏を過ごしましょう。 (撮影=本社写真部)
荻原博子
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