「緊張しやすい人」が心を落ち着かせる8つの対策 日常的な行動や考え方の「クセ」を見直してみる
真面目な人や繊細な人ほど、人前に出ると緊張したり、アガってしまったりして、本来の実力を発揮できないことがあります。男女を問わず、こうした悩みを抱えている人はたくさんいると思います。 どうすれば緊張せずに、本来の自分でいられるのか? どうしたら焦らずに、本領を発揮できるのか? 精神科医の和田秀樹氏が、精神医学や心理学の視点から、新刊『仕事も対人関係も 落ち着けば、うまくいく』をもとに、3回にわたり解説します。
慌てない心を作るためには、気持ちが動揺してしまう理由を理解して、日常的な行動や考え方の「クセ」を見直すことが大切です。大事なポイントは、「思い込み」や「決めつけ」に気づくことにあります。 ■予想できることに対して準備をしていない 緊張や不安が生まれるのは、自分勝手な「思い込み」や「決めつけ」が発端となっているケースがほとんどです。心を落ち着かせるためには、自分の考えや行動の前提となる「先入観」を疑ってみることが最初のステップとなります。
対策① 想定外の範囲を狭める 想定外の出来事が起こると、誰でも慌てるものですが、当然予想できることに対して準備をしていないため、いきなり慌て出す人が少なくありません。本来ならば「想定内」にできることを、「想定外」にしてしまうことで、不安になっているのです。 がん検診を受ければ、1~2割の確率でがんが見つかります。ボケが怖いと思っても、85歳になれば4割の人がボケます。こうした現実を直視せずに、「自分だけは特別」と考えていると、問題が発生したときにパニックに陥ります。
当たり前の確率で、自分にも起こり得る……と考えることが、パニックを回避するための第一歩となります。 本当に想定外の出来事が起こったら、その場で考えるしか方法がありませんが、想定内にできることを想定せず、想定外にしていると、不安が増すばかりです。 私は身の回りで起こることの「99%」は、想定できると考えています。想定できることを、想定外にしてしまうのは、自分の考え方に「甘さ」があると認識して、想定外の範囲を狭める必要があります。