亡くなった人の預金をおろすには?…「口座凍結前に」引き出すのは“法的に”問題ないのか
相続手続き前に銀行口座から預金を引き出す方法 金融機関が口座名義人の死亡を確認すると、預金口座が凍結され、相続人全員での遺産分割協議がまとまらないと原則としてお金をおろせません。 ただそうなると、亡くなった人の葬儀費や、残された家族の当面の生活費が払えなくなるなどの不都合があります。その問題に対処するために、預金の一定割合を一人の相続人から払い戻すことができるようになっています。 払い戻しができる金額は、「相続開始時の預金額×1/3×払い戻しを行う相続人の法定相続分」です。なお、同一の金融機関からの払い戻しは150万円が上限となっています。 相続人の一人からの払い戻しをしたい場合には、金融機関に電話して、「預金名義人が亡くなったので、遺産分割前に相続人の一人から預金の一部の払い戻しをしたい」旨を伝え、郵送で手続きできるか、店舗に行く必要があるか確認しましょう。 一部の相続人から預金の払い戻しの請求をする場合、 ・相続関係を証明できる戸籍謄本一式 ・払い戻しを請求する相続人の印鑑証明書 の2点が必要ですので、忘れず準備しておいてください。
銀行口座凍結後の対応策
銀行口座が凍結された後、預金を引き出すためには、銀行で口座凍結解除の手続きを行う必要があります。 凍結された口座から預金を引き出す方法 凍結された口座から預金を引き出すためには、銀行窓口に口座凍結解除依頼を行います。そのうえで、口座凍結解除に必要な書類を集め、銀行に提出します。その後約10営業日程度で銀行口座凍結が解除されます。 口座の凍結が解除されると、自分の相続分については預金を引き出すことができます。また、遺言執行者がいる場合、遺言執行者は全部の預金を引き出すことができます。 凍結された口座から預金を引き出すために必要な書類 凍結された口座から預金を引き出すためには、金融機関ごとに必要書類が異なりますので、ウェブサイトをチェックしたり、直接問い合わせたりするなどして確認しましょう。 ただ、基本的には以下の書類が必要になることが多いです。 ・預金名義人の通帳・証書・キャッシュカード等 ・預金名義人の戸籍謄本 ・遺言書 ・遺言の検認済証明書(遺言書がある場合) ・遺言者の選任審判書謄本(遺言書があり、遺言執行者が選任されている場合) ・遺産分割協議書 ・相続関係届出書(遺言書・遺産分割協議書がない場合) ・相続人全員分の戸籍謄本(遺言書がない場合) ・相続人の印鑑証明書(遺言書があり、遺言執行者が選定されている場合は場合遺言執行者のもの、それ以外の場合は相続人全員分)