脱炭素か安定供給か、若者の望むエネルギーとは?~18歳意識調査アンケートより~
「身近さ」を見直して、賛否よりもバランスを
エネルギーは、私たちの生活に常に存在するものであり、私たちの見えていないところでも生活の多くを支えています。非常に身近なもので、つい、無限に存在するような気さえしてしまい、具体的な危機としてイメージができるのは電気料金くらいかもしれません。 身近なものでありながら、それがどのようにどんな影響を及ぼしながら作られ、どこからきているのか、いつまでどのくらい使えるものなのか、いつか終わりが来るということも、なかなかイメージができていないのではないでしょうか。 エネルギーの問題は、自然環境、経済、社会、健康といった多くのものと関わっていて、取り組まなければ他の面でも大きな影響が出てきてしまい、これらを総合的に考えていくことが必要です。そして、総合的に判断しようとしてみても、国内では環境への影響や安全性に焦点が当てられがちです。 高木先生のお話から、エネルギー安全保障や、経済とのバランスなど、日本での議論において、抜けがちな要素があることも教えていただきました。 イメージのしやすさや希望的な考えが先行してしまうこともありますが、まずは私たちが見ている情報の発信者や、私たち自身にそういった考えの偏りが存在するかもしれないことを認識することが必要です。 そのうえで、どのエネルギーがよい、悪い、各エネルギー技術や政策に対する賛否というような一面的な見方だけではなく、長期的な未来のために、いつどこでどれをどう使うか、といった複数の選択肢を合わせる見方を持つことが、エネルギー問題へ向き合っていくために必要な姿勢なのではないでしょうか。
日本財団ジャーナル編集部