明石商がコールド発進。ドラ1候補の中森3回7奪三振&来田4打席全出塁に阪神の和田豊TAが「完成されている」と称賛
兵庫独自大会は健康と安全を考慮してベスト8で打ち切りとなるが、その一方で試合ごとに、ベンチ入りメンバーの20人を変更できる。そこで明石商は兵庫独自大会の4試合を勝ち抜くだけでなく、39人いる3年生部員全員を試合に出場させることをもうひとつの目標に掲げている。 この日も4回に5番の井上隼人遊撃手(3年)が3ランを放った後に、控えの3年生を3連続で代打起用。この場面が一番盛り上がったかもしれない。さらに、5回には前の打席でホームランを放った井上に送りバントの指示。すかさず代打を送るなど、この日ベンチ入りした3年生16人を使い切った。 「勝負にこだわる」ゆえ狭間監督は試合の細かいミスにも厳しい眼差しを向けた。例えば初回、1点を取ってなお、1死一、三塁の場面。井上は一ゴロ併殺打となったが、一塁走者が二塁で簡単にタッチアウトになっていなければ、三塁走者の生還が認められ、もう1点入っていたかもしれなかった。また3回無死二、三塁では緩い遊ゴロで三塁走者が自重。ベンチではカミナリを落とす寸前だったが、試合後は努めて冷静に「あれはGOです」と指摘した。 実は、狭間監督は、甲子園は中止になったが、3年生に余計なことを考えさせず最後の夏に思い切りプレーさせるため「ほぼ全員の就職、進路を決めている」という。ちなみに気になる中森、来田の2人の進路については大会後に公表する方針。いまのところ来田はプロか社会人、中森は大学進学かプロとみられる。 この日の勝利で明石商は夏の兵庫大会にかぎれば14連勝。過去6年でみると32勝3敗という圧倒的な成績を残している。