東京五輪からの挑戦…新種目3×3バスケで活躍の富永啓生が米NCAA1部のネブラスカ大へ…最終目標は夢のNBA
幕を閉じた東京五輪で新種目として採用され男女ともに日本代表が準々決勝に進出する健闘を見せた3人制バスケットボール(3x3)。 男子日本代表チームで最年少ながら総得点数で全選手中6位の55得点をマークしたのが富永啓生だ。五輪で貴重な経験を得た20歳の富永は、この秋から全米大学体育協会(NCAA)1部のネブラスカ大でプレーする(5人制バスケット)。最終的なゴールである米プロバスケットボールNBAに向けて新たな一歩となる。
高校卒業後、米国のカレッジへ進学
男子日本代表が五輪で勝利を挙げた 2戦でウィニングショットを決めたのが富永だった。ベルギー戦では同点のシュートを決めてオーバータイムに持ち込み、オーバータイムで2本のレイアップを成功させて日本を勝利に導いた。準々決勝進出がかかった中国戦では、18点以上を取り、2点差以上で勝つことが絶対条件だった中8得点。ノックアウト勝利となる20、21点目の2点シュートを沈める勝負強さを見せた。 父は元日本代表で、三菱電機でプレーしていた啓之さん。母のひとみさんも同社のバスケットボール選手だった。それだけに人並み外れたシュート力は生まれ持った才能だと思ってしまうが、本人は「それはないです」ときっぱり。 「シュートがもともと好きで、小さい頃からボールを持っていて、何にでも物を投げてシュートをする癖があったから、そういうところが今のシュート力に繋がっているんだと思います」と微笑む。 愛知県桜丘高校3年生だった2018年、全国高等学校バスケットボール選手権大会で1試合平均39. 8得点。3位決定戦では46得点を挙げてチームに勝利をもたらした。2019年に前シーズン全米短大選手権で準優勝した米テキサス州のレンジャーカレッジに進学。1年時から1試合平均16.8得点、スリーポイントにかけては47.9%と50%近い成功率を残した。 渡米直後は「ブロックも高いし、簡単にドライブとかも行けない」と戸惑った。そんな中、自分の持ち味であるスリーポイント力を発揮することで打開していった。 桜丘高在学中の同年2月、NBAと国際バスケットボール連盟(FIBA)が少年少女の育成を目的に開催している「バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ」に参加。世界のトップ選手とプレーする中で「スリーポイントは通用する」という手応えを掴んでいた。つまり「スリーポイントをしっかり決める」ことは、富永流のバスケットボールでの挨拶。スタートは、そこからだった。