東京五輪からの挑戦…新種目3×3バスケで活躍の富永啓生が米NCAA1部のネブラスカ大へ…最終目標は夢のNBA
渡米後最初の公式戦で19得点し、7試合目で8本のスリーポイントを決めるなど34得点。本人は「2点で終えたこともあるし、日本にいた時のように平均的に30点取れるわけじゃない」と壁を感じていた一方、信頼は高まるばかりで、富永がオープンになっているのにレイアップを打ってミスした選手にコーチが「なぜ啓生にボールを回さなかった?」と怒ることも。そういった期待はアメリカに来たばかりの1年生にはプレッシャーに感じることもあったが、次第に自信となり、自らをより高めたいというモチベーションに変わっていった。 1年時のシーズンも全米短大選手権への出場が決まっていたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のために大会は中止。そして2年時は同選手権でレンジャーカレッジを全米4強に導いた。ビッグゲームになればなるほど活躍度が増す姿は五輪で見ての通り。 「あまり強くないチームとやる時よりも、強いチームとやる時の方が気持ちは燃えてくる」 目の前のハードルが高ければ高いほど挑戦心を掻き立てられる気性も大舞台での活躍に大きく関係しているのだろう。 2年前まで日本の高校生だった選手が、NCAA1部の予備軍がプレーする全米短大1部の選手権で堂々とチームを引っ張り、1試合平均20. 3得点して優秀選手12人に選ばれ、コート上の好ましいふるまいも評価されてスポーツマンシップ賞も獲得。のちにオールアメリカ・セカンドチームにも選ばれて全米の短大でトップ20の選手である称号を得た。さらに2年間の通算962得点と通算スリーポイント成功数198本はアメリカ人選手を差し置いてレンジャーカレッジの歴代最多となった。 「シュートの部分でも伸びてきたと思いますけど、それよりもドライブとか、中に攻めるプレーは良くなってきたと感じます。アシストやリバウンドも1年目に比べて取れるようになってきた」 アメリカに来てプレーの幅が広がったことを実感できた2年間だった。 高校時代からの活躍を認められてリクルートされたネブラスカ大は、NBAのブルズなどでシューターとして鳴らし、ブルズのヘッドコーチも務めたフレッド・ホイバーグ氏が指揮を執る。先月行われたドラフトでは2巡目全体の46位でダラノ・バントンが、渡邊雄太が所属するラプターズから指名されたばかり。また八村塁と同じ2019年のドラフトではアイザイア・ロビー(現サンダー)がピストンズから全体の45位で選ばれている。