裸にされ、肛門に指を…5歳で12歳男子から性加害を受けても、「なかったこと」にされ続けてきた「男子大学生」の絶望
父親、精神科の先生ですら理解してくれない
加害者による密室での性暴力は、そのあと長い期間にわたって続いた。岡田さんが記憶するだけでも5回以上繰り返されたという。だが岡田さんはしばらくの間、被害について沈黙し続けた。過去を打ち明けたのは、13歳になったときだ。相手は自分の母親だった。 「父の不倫以来、精神的に沈んでいた母のことを思うと、打ち明けるまでに時間がかかりました。しかし私自身も苦しく、わかってほしい気持ちもあって母に話をしたんです。 ところが私の話を聞いたばかりの母は、私の告白を受け入れられていないようにみえました。より正確にいえば、『性暴力』がどのようなものかを具体的に想像できていないようでした。言葉にすることによって当時の光景が蘇るのを恐れて、私も正確に被害を伝えなかったからかもしれません。 この後お話するように、母以外の大人たちは、私の性被害を丸め込もうとしてきました」 ”大人たち”は、たとえばこんな面々だ。 「離れて暮らしていた父には、母に打ち明けてから少し時間をおいて話しました。しかしこちらの趣旨を汲み取っていないのか、やや戸惑った顔をしながらも『俺は過去を振り返らないんだ』と突き放されました。また、中学生のときに通っていた精神科の先生からも『性被害の話は置いておいて、過敏性腸症候群じゃないかと思う』みたいな反応をされて、正面から向き合ってもらえない歯がゆさを感じました」 決死の思いで性被害を打ち上げた少年に対して、まともに取り合おうとしない大人たち。さらに岡田さんは、加害者の家族から驚きの言葉をかけられたという。 後編【「証拠ないだろ」「病院行ったら?」5歳で12歳男子から性加害を受けた「男子大学生」に、加害者の父親が放った「衝撃の言葉」】に続く。
黒島 暁生(ライター・エッセイスト)
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