長友、大迫、酒井…なぜ欧州で活躍したレジェンドが相次いでJリーグに復帰しているのか…その背景と復帰効果を探る
武藤も8月下旬に実施された移籍会見で、FC東京をリスペクトした上で移籍はタイミングであり、交渉で双方の思いがめぐり合った末に成立するものだと力を込めた。 「FC東京は僕を育ててくれた大切なチームであり、もちろん考えのなかにはありました。それでも今回は神戸がより熱いオファーを出してくれて、自分を選手として必要としてくれました。そういう点で、神戸に行くことを決断しました」 それぞれが年齢的に中堅からベテランの域に差しかかったタイミングで、各チームの強化部の動きが絡み合った結果として、レジェンドたちの復帰ラッシュが今夏に重なった。 ヨーロッパで積み重ねられてきた濃密な経験は、日々共有される時間を介して若手や中堅を含めたチーム全体へ還元される。これまではホームの日本代表戦でしか生で見られなかった勇姿を常に目の当たりにできる点で、Jリーグ全体も活性化される。 たとえば酒井のデビュー後の浦和は、リーグ戦で4勝1分けと無敗をキープ。日本代表として臨んだオマーン代表とのアジア最終予選後にオーバーワークで離脱したが、11日の横浜FC戦で先発フル出場してファン・サポーターをひと安心させた。 まだゴールという結果を残していないものの、大迫もフォワードとして2試合に先発。武藤と乾はともにリーグ戦の初陣で、味方のゴールをアシストしている。 そして12日に加入が発表されたばかりの長友は、15日に行われたFC東京の全体練習に初めて合流。2010年5月15日の清水エスパルス戦以来となる、青赤のユニフォームを身にまとって臨む復帰戦へ、いよいよカウントダウンに入った。 (文責・藤江直人/スポーツライター)