なぜ元世界王者の具志堅氏はジム閉鎖を決断したのか…選手、スタッフは予期せぬ通告にパニック
具志堅氏が、全面に出てきて解決すればよかったのだろうが、タレント業でジムの運営資金を稼がねばならないという事情もあり、結局、ジム内はバラバラのまま新型コロナ禍に突入。一般会員は増えていたが、友利氏もジムを離れ、週刊誌報道によるイメージダウンも追い打ちとなり、ジムは25年で看板を下ろすことになった。 この日、ジムの閉鎖を伝えた話し合いに同席した弁護士からは、選手やスタッフに、週刊誌などのメディア取材への対応や、SNSへの書き込みなどを”牽制”するような言動もあり、戸惑いや不信感を残したまま、ジムは7月末に最後の日を迎えることになった。 名選手、名指導者にあらずーーは、スポーツ界の格言にあるが、具志堅氏も指導者としては苦労ばかりで終わってしまった。 今後、新人王予選にエントリーしている4人のうち2人は、7月30日(後楽園)の試合に出場予定だが、JBCは、この試合に関しては、白井・具志堅ジム所属のまま試合出場を認める方針。この試合が具志堅氏がセコンドにつくジム最後の試合となる。 だが、残りの選手の移籍先などは、まだ未定で、その責任だけでなく、常勤の専属トレーナーして契約したばかりのスタッフの再就職先もサポートしなければならないだろう。 ジム閉鎖は、決して具志堅氏が残した偉大なる栄光と功績に傷がつくものではないが、新型コロナショックで大きな打撃を受け、まだ興行が再開できていないボクシング界へ与える衝撃と影響はあまりに大きい。具志堅氏は、ホームページに 「今後は私にできることがありましたら、別の形でボクシング界に携わらせて頂ければと思っております」と記している。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)