なぜ大橋ジムは7.16後楽園で清水聡(東洋)&井上浩樹(日本)のWタイトル戦開催を決断したのか?「選手のモチベーション低下とボクシングが忘れ去られることが怖い」
日本プロボクシング協会(JPBA)は7日、臨時理事会をオンライン「ZOOM」を使って行い、条件付き再開の方針を固めている7月からの興行についても協議、大橋ジムからは「最悪の場合は無観客」でのダブルタイトル戦プランが練習も含めた感染予防対策と共に提出された。 申請された試合は7月16日に後楽園ホールで行うOPBF東洋太平洋フェザー級王者、清水聡(34、大橋)と同14位の殿本恭平(24、勝輝)の5度目の防衛戦、日本スーパーライト級王者、井上浩樹(27、大橋)と同級1位永田大士(30、三迫)の延期されていたチャンピオンカーニバルの指名試合の2試合だけ。 JBCルールでは、ひとつの興行で、計32ラウンド以上となる試合を組まなければならないが、JBCの安河内剛事務局長は、「市中感染がある中で、多くの試合を組むことはリスキー。今回のように自発的に試合数を少なくしてもらえると助かるし規定ではないが許可したい。たとえ1試合の興行でもいい」と、特例措置であることを説明した。 15日に開かれる新型コロナ対策連絡協議会で、大橋ジムが提案した感染予防策を含めたプランを精査し開催の可否が判断される。 大橋会長は、「万全の予防対策をします。協会、JBC、行政の対応も含め、世の中の方々にも興行の開催が許されるのならば、閉塞感のある世の中にボクシングのライブ感を届けたいのです。選手のモチベーションが下がることも、このままボクシングが忘れられてしまうことも怖い。このダブルタイトルマッチが、停止してしまっているボクシング界を再び盛り上げるきっかけになればと考えています」と、ダブルタイトルマッチの開催理由を説明した。 また観客を入れるかどうかについては、今後の新型コロナの感染拡大状況や、行政のイベントに対する自粛要請の解除などの動きを見ながら決定していくが、大橋会長は、「人が集まることが危険なので2試合だけにした。やると言ってやらずに選手のモチベーションが下がることが怖いので、最悪は無観客でも開催したい」という。 北京五輪銅メダリストの清水は、昨年7月に大阪で行われたWBOアジアパシフィックスーパーフェザー級王者、ジョー・ノイナイ(フィリピン)とのタイトル戦で、6回TKO負けを喫して以来の再起戦。清水は、この試合で、両眼窩底、両眼窩内など計4カ所を骨折していたため、陥没部分を補強する緊急手術を受けている。 またWBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者、井上尚弥の従兄である井上も腰を痛め3月に予定されていた永田との防衛戦をキャンセル。5月28日に仕切り直しの試合が行われる予定だったが、これも新型コロナの影響で延期となり、3度目の正直で注目の好カードが実現することになった。