元世界王者フロイド・メイウェザーが白人警察官による黒人死亡事件の葬儀費用を負担…過去に対戦相手の葬儀費用を援助したことも
プロボクシングの無敗の元世界5階級王者、フロイド・メイウェザー・ジュニア氏(43)が白人警察官に拘束された状況下で死亡した黒人男性のジョージ・フロイドさん(享年46)の葬儀費用の負担を遺族に申し入れ承諾されたことが明らかになった。複数の米国メディアが報じたもので、メイウェザープロモーションのレナード・エレーべCEOが、それらの事実関係を認めた。 ミネソタ州でフロイドさんが白人警察官に首付近を押さえつけられて亡くなった事件は、黒人社会の反発を買い、全米に抗議行動が広がり、各地で暴動、略奪などに発展、トランプ大統領が沈静化のため軍の投入を宣言するまでの大きな社会問題となっている。 ラスベガスに住むメイウェザー氏は、生前のフロイドさんやご遺族と面識はないが、個人的に遺族と連絡を取り、テキサス州ヒューストン、ミネソタ州ミネアポリス、ノースカロライナ州シャーロットなど全米の4か所で行われる予定の葬儀、追悼式などの費用の一部を負担することを申し出て受け入れられたという。 米エンタメ系情報サイトのTMZ、ロサンゼルスタイムス紙などによると、メイウェザーは、自身が経営している「TMTミュージックレーベル」のエンゼル・ジェニングスCEOが、フロイドさんと同郷でヒューストンで一緒に育ったことを知ると、アクションを起こすことを決め、そのジェニングスCEOにご遺族へ連絡を取らせた。 メイウェザーは関係者に「心から正しいと感じている行動をしているだけだ」と語っているという。TMZは、「ボクシング界のスーパ―スターは、フロイドさんの家族の悲嘆を救うために葬儀費用の負担を申し出た」と伝え、メイウェザーが「フォートベンドメモリアルセンター」に送った8万8500ドル(約962万円)の小切手の写真を掲載した。
またCBSニュースによると、メイウェザーが葬儀費用を負担する慈善行為は、これが初めてではない。メイウェザーは、1998年にWBC世界スーパーフェザー級タイトル戦で、へナロ・エルナンデス(アメリカ)から初の世界王座を獲得したが、その13年後にエルナンデスさんが癌で死去すると、メイウェザー氏は、その葬儀費用を受け持ったという。 またモハメッド・アリと名勝負を演じた“レジェンド”元ヘビー級統一王者、ジョー・フレージャーが2011年11月に癌で死去した際、その葬儀費用も負担している。 「マネー」と呼ばれるメイウェザーは現役時代に巨額の富を築き、2018年の大晦日に日本のさいたまスーパーアリーナで行われた那須川天心とのボクシングルールによるエキジビションマッチでも5億とも10億とも言われるファイトマネーを稼ぎ、日本円の札束写真をインスタグラムにアップするなどして話題を集めていた。その金満ぶりに批判も集中するが、慈善事業にも積極的に取り組んでいる。 フロイドさんの追悼式は、事件の起きたミネソタ州ミネアポリスでは、ノースセントラル大学にて4日に行われ、生まれたノースカロライナでは6日、テキサスでは8日にフォートベンド・メモリアルプランニングセンターが葬儀を取り扱い、フロイドさんが育ったヒューストンでは、遺体を公開安置した後に、9日に葬儀と埋葬が行われる予定。 メイウェザー氏は、そのいずれかに出席するものと考えられているが、NBAの“レジェンド“マイケル・ジョーダンが、「深く悲しみ、本当に胸が痛く、純粋に怒っている」とコメントするなど今回の事件の根底にあると見られる「黒人差別問題」に対する怒りの声は、各分野の有名人を巻き込み全米へと拡散している。