全会一致で「不信任」──兵庫・斎藤知事の“覚悟”は? 辞職で税金「18億円」、解散なら「34億円」…ダブル選挙の推測も
相次いで浮上する疑惑について追及された9月6日の百条委員会では、机をたたく行為がどのようだったかという質問を受けました。斎藤知事は再現するように机を2回たたき、「行為としては大変申し訳なかったと思っております」と述べました。 「(告発文書が)公益通報に該当するとは今でも思っていません」と主張する場面もありました。
■“四面楚歌”も…連日表情を変えず
その後、県議会の議員全員から辞職を要求され、四面楚歌の状態になりました。それでも辞職はせず、連日表情を変えることなく取材に答えてきました。 ただ、感情が表に出た場面もあり、9月11日には「こういう状況になったのは申し訳ないという思いで…。自分自身に対して悔しい思いではあります」と涙を浮かべました。
■辞職求める声、支持者からの励ましも
こうした中、運命の1日が始まりました。19日午前10時ごろ、斎藤知事は改めて続投の意向を示しました。 「私の思いはしっかり改革を進めていくと。(県民から)4年間しっかりやってほしいということですから、それをやりたいという、その思いでいます」 県議会へ向かおうとすると突然、「斎藤さん、がんばってくださいね。みんな応援しているんですから」と、支持者から励ましの声をかけられました。 ──きのう眠ることはできました? 斎藤知事 「そうですね。いろいろ考えたりはしましたけど、しっかり眠れました」 一方、議会の前には斎藤知事の辞職を求める人たちも集まっていました。
■県議「これ以上県政を担うのは不可能」
議会でまず行われたのは、補正予算案の審議。ここでも斎藤知事は、終始硬い表情でした。休憩を挟んで、議会が再開。午後4時すぎ、不信任決議案が提出されました。 戸井田祐輔県議は「県民の誇りを失墜させてしまった今、これ以上県政を担い続けることは不可能であると考えます」と提出理由を説明しました。 午後5時半ごろ、採決が始まりました。不信任決議案に賛成なら白、反対なら青の札を投じますが、積み重なるのは白い札のみ。結果は白票(賛成)が86票、青票(反対)が0票でした。議場からは拍手が起こりました。 86人全員が賛成しての可決。その瞬間も、斎藤知事は表情を変えることはありませんでした。この後、報道陣の取材にこう語りました。 「議員のみなさんには厳しい、そして苦しい判断をそれぞれされたと思います。私としては一人ひとりが自分の目の前を通る中で、お一人お一人思い出しながら感謝の気持ちを感じていたということですね」