灘→MIT卒の教育起業家が考える「この子は伸びそう」と感じる生徒の「親」に共通すること
主に小学生を対象に、オンライン・ライブ授業をおこなう新しい教育サービス『スコラボ』が人気だ。立ち上げたのは、名門・灘中学校/高等学校(以下・灘校)出身の二人。20代半ばにして強い志を持ち、オンライン学習の企業『Mined』を創業した代表取締役の前田智大さんと、COOの趙慶祐さんだ。それぞれ灘校卒業後は米マサチューセッツ工科大学(以下MIT)と東京大学に進み、卒業後の選択肢も様々だったであろう二人は就職を選ばず起業し、『スコラボ』を開設した。 【写真】灘→MIT、東大卒の起業家2人が考える、日本と海外「教育の圧倒的な差」 FRaUwebの連載では、前田さん自身の学びについての振り返りや、知識偏重ではなく「主体的に学ぶ意欲」を育てる教育が求められる時代の「新しい教育」についての考察を綴っていただく。前回は、前田さんがよく保護者から質問されるという「周りの子とわが子の比較」について回答していただいたが、今回再び、保護者からのよくある質問に一問一答形式で答えていただいた。
「いいな」と思う子ってどんな子?
今回は保護者の方から寄せられた質問に、一問一答形式で答えていこうと思います。 スコラボの受講風景を見ていて「いいな」と思う子はどんな子ですか? 「いいな」という定義が難しいですが、特に「この子は伸びそうだな!」と感じる生徒に多く共通していることがありました。 それはその生徒の保護者の方と話した際に子どもの学習内容については「よく分からない」「あまり知らない」と答えている点です。保護者の方が意図的でも無意識でも、子どもがやっていることにはあまり関知せず、その子がやりたいことを続けているパターンが一番知識なども身についているように見受けられます。 もちろん、何にも興味がない子どもに保護者の誘導なしで上記の状態に持っていくのは困難です。しかし、最終的には保護者の誘導・助けを徐々に少なくし、子どもが自主的に学ぶ姿を目指すことが、一番伸びる学びにつながると感じています。 英語は早くから学ぶべきですか? 将来海外で働きたい、学びたい、と思っている子がいたら、英語は早く学んだほうがいいです。何事も早く始めるに越したことはありません。 しかし、中学以降に本格的に学び始めたからといって海外への進路が閉ざされるというわけでもありません。子どもが英語に興味がないのであれば、早くから学んで嫌いになるよりも他のことに時間を使った方が良いこともあるでしょう。 また、子どもが英語に全く興味がない場合に英語教育にお金を使うよりも、そのお金で海外旅行に行ったほうが興味が湧き、結果的に英語学習につながる可能性があります。 英語を学んで何ができるのかわからない状態で英語を学ぶのはとても苦痛です。 それであれば、海外旅行でも良いですし、日本でも英語を使う場に行って「英語が話せるとこんなことができる」という体験をしてから学んだ方が良いのではと思っています。