「1点リード」を利用できなかった横浜。審判にゲームを壊されてしまったACL決勝
非常に流動的でつかみにくい動きだった上に、ワンタッチで正確なパスを通してきたので、横浜FMのDFは対応が難しくなった。
横浜FMは高い位置から積極的にプレスをかけてボールを奪いに行った。このあたりは、第1戦のイメージのまま戦っていたように見えた。
しかし、アル・アインは横浜FMの選手がボールを奪いに行くのを利用して、ワンタッチで裏を狙ってきたのだ。1点のアドバンテージを持っていた横浜FMとしては、もう少し相手の様子を見てもよかったのではないだろうか。無理にボールを奪いに行って引っ繰り返されるようであれば、スペースを埋めて構えて守って相手の動きが落ちるのを待ってもよかったのではないか。
ところが、横浜FMは前半の9分に先制ゴールを奪われてアドバンテージを失ってしまう。クリアボールがハーフライン付近にいたヤヒア・ナデルに渡り、ナデルはそのボールをすぐにラヒミに預けて、トップスピードでペナルティーエリアに侵入。ナデルはラヒミからの縦パスをヒールでラヒミに戻し、ラヒミが横浜FMゴールに突き刺した。
これで、アル・アインは完全に勢いに乗ってしまい、横浜FMはアル・アインの猛攻を受け続けた。ただ、その後はゴール前でしっかり守り、20分過ぎにはMFの並びを変えて守備を安定させることにも成功した。
スタートは喜田拓也をアンカーに渡辺と植中をインサイドハーフに置いていたが、渡辺のポジションを下げて喜田と2人で中盤の底のスペースを埋めたのだ。
横浜FMが中盤の並びを変えてからはボールを持つ時間も長くなり、26分に右から攻撃参加した松原健のクロスを渡辺がシュートして初めての決定機を作ると、28分にも左のエウベルからのクロスを喜田がシュート。横浜FMは、流れを変えることに成功した。
もちろん、これは結果論ではあるのだから、せっかく1点リードで臨むことができたのだから第2戦は最初からこの守備的な並びでスタートすべきだったのではないかという気もする。