名古屋市到着の「Go To」一時停止 愛知・大村知事が臨時会見で表明
愛知県の大村秀章知事は14日、県庁で臨時会見を開き、観光支援事業「Go Toトラベル」について、名古屋市到着分の一時停止を国と合意したと表明した。併せて名古屋市の繁華街「栄・錦地区」の飲食店などに出していた営業時間短縮・休業要請は、両地区を含む「中区全域」にエリアを拡大し、今月18日までとしていた期間も来年1月11日までに延長すると発表。「年末年始を挟んでウイルスの拡大を阻止したい。今、手を打たないと医療体制が大変なことになる。苦渋の決断だ」などと述べ、県民や事業者に理解を求めた。 名古屋市到着の「Go To」一時停止 愛知・大村知事が臨時会見で表明(2020年12月14日) 菅義偉首相は12月14日午後、今月28日から来月11日までの間、全国一斉でGo Toトラベルを停止することを表明したが、深刻な感染拡大に見舞われている名古屋市は、2週間前倒しで一時停止することになった。
休業・時短要請はエリア拡大し来年1月まで
Go Toトラベルの一時停止は12月16日から同27日に名古屋市を目的地として出発する旅行が対象。名古屋市居住者にも同期間、事業の利用を控えるよう呼び掛ける。県内旅行商品を割り引く「LOVEあいちキャンペーン」は名古屋市居住者に対して一時停止、県内宿泊施設利用に際してGo Toに上乗せする割引は全県で一時停止する。 一方、中区の接待を伴う飲食店などに対しては、感染対策ガイドラインを遵守していない施設には休業要請を、遵守している施設には午後9時までに閉店するよう営業時間短縮を呼び掛ける。こうした要請に協力した店舗には、1日あたり2万円、最大48万円を感染防止対策協力金として支給する。これまでは1事業者あたりの支給だったが、今回は1店舗あたりに拡大するという。
河村市長は反発も知事「混乱生じない」
大村知事は一連の措置の根拠について、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者が名古屋市だけでみると東京都よりも割合が高く、名古屋市の区別の感染者数では中区が突出しているからだ、とした。10人以上のクラスターが発生している名古屋市内の施設15カ所のうち13カ所が中区内である、とも強調した。 名古屋市の河村たかし市長がGo To停止や休業・時短要請の延長に反発していることについては「(県市の)部局同士では理解は得られている。混乱はまったく生じない」と指摘した。 この日の県内の新規陽性者数は114人で、うち名古屋市は50人だった。一連の措置は15日に県新型コロナウイルス感染症対策本部員会議を開き、正式決定する。 (関口威人/nameken)