「カミングアウトをして、多くのサポートをもらって…」米国スケーター、アンバー・グレン“GP初優勝”の舞台裏…25歳できめたトリプルアクセル
ベテラン女子の活躍が続いている今季GPシリーズ。11月1日からアンジェで開催された第3戦目フランス大会では、アメリカの25歳、アンバー・グレンが優勝を決めた。9月にチャレンジャーシリーズのロンバルディア杯で優勝し、好調なシーズンスタートをきっていたグレンだが、GPタイトルを手にしたのは今回が初めてだ。 【写真】フリー直後、両膝を氷上について…GP初優勝をきめたアンバー・グレン(25歳)の実際の演技。この記事の写真を見る。
「すごくクレイジー! でも嬉しいです」
「まだ信じられません。すごくクレイジー! でも嬉しいです」と喜びを言葉にしたグレン。SPではトリプルアクセルをきれいに着氷し、今季の女子のSP最高点78.14を得てトップに立った。 フリーでもトリプルアクセルに挑戦したが着氷でステップアウト。他にもいくつかミスが出て3位だったが、総合210.44でトップを保った。 「SP1位という立場で挑むというのは初めての体験だったので、頭の中にはいろんなことが回っていました。自分の滑走までに疲れてしまって、アドレナリンがあまり出なかった。(フリーでは)小さなミスがいくつか重なって、フリップで転倒してしまったのは体の疲れと、自分を疑ってしまった両方の理由からでした」 シニアに上がって11シーズン目、GP大会11試合目の挑戦で、表彰台のトップに到達した。
20歳で挑戦をはじめたトリプルアクセル
彼女が初めて試合でトリプルアクセルをクリーンに成功させたのは昨シーズン、2023年スケートアメリカのフリーだった。試合で承認されたのは世界では17人目、アメリカの女子としては6人目となる記録だ。 だがこれまで3アクセルを成功させた女子選手と違うのは、グレンは身長167センチと女子シングルとしては長身で、がっしりした筋肉質であること。しかも3アクセルの練習を始めたのは、すでに20歳になってからという。何がきっかけだったのだろう。 「私は長い間、結果を出すことができないスケーターでした。GP大会に出してもらえたら、最下位じゃなくてほっとする、みたいな感じが続いていたんです」 グレンがそう語ったのは、謙遜ばかりではない。動きが大きく華のあるスケーターでありながら、彼女は何年もSPとフリーの2本をクリーンに揃えることに苦戦し、大きな表彰台を逃してきていた。
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