30代前半の夫婦で住宅購入を検討しています。「100万円ずつ」頭金を出し合うなら、ローンも共同名義にした方がよいでしょうか?
夫婦で新居を購入するとき、住宅ローンを利用する家庭は多いでしょう。住宅ローンには、共有名義と単独名義の2種類があります。人によっては、共有名義にした方が夫婦の負担が少なくなるケースもあるので、確認しておきましょう。 今回は、夫婦が住宅ローンを組むときの選択肢や、共有名義のメリットなどについてご紹介します。 ▼住宅ローンは「繰上げ返済」すべき? メリットについて解説
共働き夫婦が住宅ローンを組むときの選択肢
もし、結婚をして夫婦で住宅ローンを組むとき、ローンの選択肢としては「夫か妻のみの単独名義でローンを組む」「夫婦共有名義でローンを組む(ペアローン)」の2種類です。 単独名義では、1つの住宅に対して一人の名義で登録します。名義人のほかに、連帯保証人や連帯債務者を設定する選択肢もあります。共有名義は、1つの住宅に対して複数人の名義で登録し、ローンを全員で負担する方法です。 単独名義の場合、家の所有権は名義人のみが有します。一方、共有名義は、分割の割合に応じて所有権を主張できます。
夫婦共有名義のメリット
夫婦共有名義のメリットは、要件を満たせば夫婦ともに住宅ローン控除が適用されることです。単独名義だと名義人のみ適用となりますが、共有名義にすると夫婦で控除の恩恵を受けられます。 また、ローン返済の負担を夫婦で分けられる点もメリットといえるでしょう。単独名義だと、返済も一人の口座からのため、夫婦で協力してローンを返済する場合でも、名義を使っていない方が使っている方にお金を毎月渡す必要があります。共有名義にすれば、各々の口座ですべて完結するため、より手間も少なく済みます。 さらに、借入金額の基準が2人の収入の合計になる点もメリットです。もし夫婦がともに年収400万円とすると、単独名義で連帯保証人や連帯債務者をつけない場合は、年収400万円に応じた借入金額が設定されるでしょう。しかし、共有名義にしておけば、夫婦合わせて年収800万円を基準にした借り入れの利用が可能です。
夫婦共有名義のデメリット
夫婦で共有名義に一度してしまうと、単独名義に変更するためには双方の同意が必要です。もし、離婚するとなった場合に、自分は住宅の売却を望み、元配偶者は継続して住むことを望んだ場合、意見のすれ違いからもめる可能性があります。 さらに、もしどちらかが無収入になっても、ローン返済は継続する点にも注意が必要です。諸事情で夫婦のうちどちらかの収入が激減した場合、多く稼いでいる方が配偶者の支払えない分も賄わなければなりません。 状況によっては、生活に影響を及ぼすケースもあるため、共有名義にするときは、お互いローンの返済中に仕事を辞めたり転職したりする可能性はないのかを確認しておきましょう。