大手の冬ボーナスの話題にビックリしています。中小企業の賞与はどのくらいが普通なのでしょうか?
冬の賞与を支給する企業のなかで、その支給額は大手企業か中小企業によって異なる状況です。 ⼀般財団法⼈労務⾏政研究所の調査によると、東証プライム上場企業(全産業ベース187社)の平均支給額は 80万28円とのことですが、中小企業になると平均支給額はどのくらいになるのでしょうか。 本記事では、中小企業の賞与平均支給額をはじめ、中小企業の定義や割合を解説します。
中小企業の定義と割合
中小企業庁によると、中小企業は中小企業基本法上で「中小企業者」とよばれており、図表1のように「資本金の額または出資の総額」「常時使用する従業員数」の2点から業種別に定義付けられています。
小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」より筆者作成 業種によって中小企業者の基準となる資本金の額または出資の総額、従業員数が異なります。例えば、卸売業で資本金が2億円あったとしても、常時使用する従業員数が200人といった場合は中小企業者に分類されません。 ◆中小企業の割合は全事業者数の99.7% 中小企業庁の「中小企業の経営環境を取り巻く諸課題と関連施策について」によると、中小企業は全事業者数の99.7%(357万8000者)、全従業者の68.8%(3220万人)、全付加価値額の52.9%(135兆1000億円)を占めているとのことです。 そのうち大企業の事業者数は0.3%(1万1000者)、31.2%(1459万人)、47.1%(120兆5000億円)となり、中小企業が全事業者のほとんどであることが分かります。 ※事業者数・従業者数は2016年時点、付加価値額は2015年時点
中小企業の賞与平均支給額はどのくらい?
株式会社フリーウェイジャパン(東京都中央区)が中小企業に対して実施した「2023年度 冬のボーナス実態調査」によると、賞与の平均支給額は47万9000円、支給額のボリュームゾーンは「10万円~30万円」とのことでした。 なお、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」では、令和4年6月分の中小企業の賃金は平均30万3000円(男性:33万1200円、女性:25万7000円)である旨を伝えています。 ◆賞与の支給なしの中小企業はどのくらいある? 株式会社フリーウェイジャパンの同調査における「冬のボーナスの支給予定はありますか? またはすでに支給しましたか?」の質問に対し、最多だったのは「支給予定あり/支給済み」の42.0%でした。 しかし「支給予定無し」と回答した人が27.6%、「ボーナス制度がない」と回答した人が24.1%いるなど、半分を超える割合でボーナスが支給されていない状況であるのも確かです。「ボーナス制度がない」という人は、年俸制などの給与体系で給与額にボーナス分も含まれている場合があります。 ◆上場企業の賞与妥結額は全産業187社ベースで80万28円 ⼀般財団法⼈労務⾏政研究所が実施した、「東証プライム上場企業の 2023年 年末⼀時⾦(賞与・ボーナス)の妥結⽔準調査」では、賞与・ボーナスの妥結額を図表2のように伝えています。