大阪府・吉村知事が定例会見6月30日(全文3)7月11日の前に本部会議で判断したい
ワクチン接種の目標は示すのか
産経新聞:すみません、ちょっとそこで、政府目標とかを経団連の提言の場合は入れていたりしてて、要は、この時期にワクチンがどれぐらい打ち終わるって、政府は出しているじゃないですか。それに合わせて、要は段階をつくっている感じなんですけど、その辺りの、実際大阪府がロードマップを作る上でも、何月ぐらいには、こういうのを目指したいとかいうのは。 吉村:それはもちろんあります。期限、無期限のものを作るつもりはありませんから、もともと大阪府においては6カ月以内に希望する府民の方、全てにワクチンを終わらせようというのを一番最初の会議で目標を作ってありました。ですので、11月の末が基本的な、このロードマップの終了時期になると思います。11月末までの期間をロードマップで示していくということになると思います。だからすごい長期というよりは中期的なロードマップと。そして超短期については大阪モデルとか、そういうので対応するということになるかと思います。 産経新聞:今回、ちょっと重症病床の使用者数というのが、横軸の問題がちょっと出てきたんですけど、英国、イギリスなんかでいえば、今回結構感染者が増えている中でも、死亡者とかは少ないっていうことで、対策の緩和というのをやっていっているという部分もあったりとか、実際、きのう知事が民放のテレビに出られた際には、重症病床の使用率の部分も話されていたと思うんですけど、今回、ちょっと今日の会議の中では、そこ、横軸をもう1回考えないといけないんじゃないかということをおっしゃって、その辺りの知事自身のお考えの、会議の中で変化された部分があったのかなって、ちょっと伺いたいんですけど。
陽性者の絶対数が増えたら重症者は増えるはず
吉村:まず重症者の数だけを横軸とするのが、果たして正しいのかなというところはあります。特に今、高齢者の方の重症者が多いのは事実です。第4波で、N501Yが大流行したときは40代、50代、僕らの世代でも重症化したわけですけれども、60代以上で約60%以上、35%が60代以下だったと思いますから、65%以上はやっぱり高齢者。亡くなられる方は93%が高齢者です。ですので、ほとんど高齢者の方、お亡くなりになるのは高齢者の方であり、重症化するのもやっぱり高齢者が多いと。これは若くなってそれですから、やっぱりこのコロナっていうのは高齢者の方にとって非常に脅威になるものだというふうに思っています。 そういった意味で、ワクチンが行き届いたときにこの数字がどうなるのかっていうのを、ちょっとなかなか今の中では見えにくいなというふうに思っています。ただ、理屈で考えると、あのシミュレーションでも出てましたけれども、40代、50代にワクチンが、それを済んでませんから、40代、50代でもやっぱり3%ぐらいは重症化します。ということは、陽性者の絶対数が増えたら重症者は増えるはずなんです。しかも、それは若い方が増えてくると。 だから陽性者数のキャパは増えるかも分からないけれども、重症者も、陽性者が増えてくると、陽性者の数が増えても、今よりは能力が、受け入れ能力が高まるかもしれませんが、重症者ってやっぱり必ずいて、割合が少なくても出てくるので、そこの重症者の数だけを見てやったときに、例えば250人の重症者が生じるとき、生じたというような状況のときは、やっぱり感染が広がっている時期、特に右肩上がりのときはそうだと思うので、そのときにいくらワクチンが進んでたとしても、やっぱり対策を取っていかなきゃいけないのではないのかなというのが、今回僕自身が横軸をもうちょっと考えたほうがいいんではないかというところです。 おっしゃるとおり、イギリスなんかはかなりワクチンが進んでて、数は増えているけど重症者は増えてへんやんかと。重症者が増えへんかったら、これは別にそこまで警戒することじゃないんじゃないのという議論もあるんだろうなとは思いますけれども。ちょっとここは専門家の意見を聞きたいなというふうに思っています。 重症化しないんだったら、これはほかの病気と何が違うのっていう、やっぱり議論では出てくることも、これは当然あり得る話で。その辺りは、だから専門家の意見聞きたいなと思ったので、横軸は、今日の段階では重症者というのは確定させずに、もう少し適切な数値がないかと、検討せよということを指示したということです。