カンプノウのVIPボックス利用権売却でダニ・オルモとパウ・ビクトルの今冬の選手登録が可能に
バルセロナのスペイン代表MFダニ・オルモ(26)とスペイン人FWパウ・ビクトル(23)のスペインリーグの選手登録が可能になるとスペイン紙マルカ電子版が28日に報じた。 依然として続く財政難によりサラリーキャップ(選手の契約年数に合わせて分割された移籍金や年俸などの限度額)の問題を抱えているバルセロナは今夏、ダニ・オルモとパウ・ビクトルのスペインリーグへの選手登録に苦労しながらも、最終的にクリステンセンがアキレス腱(けん)のけがで長期離脱したことで実現させた。 しかし、クリステンセンが後半戦で復帰する予定であるため、2人の選手登録が有効なのは31日までとなっている。バルセロナはこの問題をユニホームサプライヤーのナイキと契約延長で合意したことでクリアできると考えていたが、スペインリーグに認められなかったが裁判に踏み切ったものの27日に却下された。 これによりバルセロナは現在、選手登録できない場合、フリーで移籍できる条項がダニ・オルモの契約に盛り込まれているため、高額な移籍金で獲得した選手を今冬、無料で手放す危機的状況に置かれている。 そんな中、バルセロナは改修工事中のカンプ・ノウ(※今季中に完成しない可能性大)のVIPボックスの利用権を、アラブ諸国のさまざまな企業に合計1億ユーロ(約160億円)で売却することで合意したという。これにより2人の選手登録の条件をクリアする資金を捻出できるとのことだ。 現在、その支払いを待っている段階であり、その資金が入った後、スペインリーグに書類を送り、承認を得られれば、選手登録が正式に完了するとマルカ紙が伝えている。 さらにバルセロナはこれまで、財政面の問題により補強費を削減してもその一部しか獲得選手の人件費に当てられないという制限に苦しめられていたが、今回の件により正常化されるとのことだ。これはスペインリーグが定めるサラリーキャップの1対1ルール(選手の売却や給与削減で得た資金を補強費に全額投入できる状態)に戻ることを意味している。 (高橋智行通信員)