スケーター向けに開発された「NIKE DUNK(ナイキ ダンク)」が人気 「NIKE SB(ナイキSB)」の魅力とは?
「アメリカでは当時人気だったスケーターのリース・フォーブスやジーノ・イアヌッチ、ダニー・スパなどのシグネチャーカラーをまとった『ダンクSB』が発売され、日本では未発売だったことから、それらの『ダンク SB』は今でも希少価値が高いものとなっています」
履き心地に直結する機能性の高さも「ナイキSB」の人気の理由
日本では爆発的な人気を誇った「ナイキSB」であったが、実はアメリカではわざわざチームを立ち上げるなど、お金をかけたプロモーションに見合うほどのセールスではなかったそう。
だからこそ数を絞って販売を続けていたがそれが仇となり、需要に供給が追い付かず、図らずも人気のラインとなっていった。日本ではアメリカ本国でしか展開されていなかったので、その未発売モデルを手にするべく、自然と競争率は高まっていった。鎌本さんはこう続ける。
「『ナイキSB』で展開されたモデルは『ダンクSB』だけではありません。他にも『ズームエア URL』や『ズームエア アンガス』といったスケート仕様のモデルが数多く生まれました。この『ナイキSB』で展開されたモデルがスケーターだけに人気だったかといえば、そうではありません。スケートボードをしない層のスニーカーフリークたちも、こぞってこれらのスニーカーを追い求めた結果、爆発的な人気になっていったのだと思います」
なぜ、スケーターじゃない人たちも履きたかったのか。それは単純に機能性の問題だろう。その機能性の違いを鎌本さんはこう語る。 「『ダンクSB』を例にとってみると、まずソールにズームエアが搭載されているので、クッション性は高いと思います。シュータンの厚さも同じことがいえると思いますが、その機能は履き心地に直結しますよね。
またフォルムも通常のダンクより少し横幅が広くなっていて、アッパーもスウェードやヌバックといった、摩擦に強い素材を用いていることで耐久性がアップしています。さらに、ほとんどのモデルはアウトソールが「平ら」に設計されています。平らにすることで地面との接地面積が増え、摩擦力が上がることで安定性が向上するのです」 こうした機能性の高さに裏打ちされた履き心地のよさも「ナイキSB」モデルの人気に繋がっていったのだろう。