海外で話題を集めた「クルマの流行」 おしゃれアイテムから悪趣味な改造まで 34選 後編
ボディキット
サンシェードや追加のライトなど、クルマにさまざまなカスタムパーツを装着するというのは、第二次世界大戦前から見られた。1970年代に入り、安価なグラスファイバー成形技術が発展すると、アフターマーケット用のボディキットが本格的に普及するようになる。エアロバンパー、スポイラー、オーバーフェンダーなどモータースポーツの影響を受けたものが多く、自動車メーカーも参入するようになった。 トレンドの絶頂期は地域によって差があるが、英国では雑誌『Max Power』を中心とした1990年代の改造ブームが頂点だった。どんなクルマでも改造の対象となった。しかし、2000年代初頭には手頃な価格のホットハッチが復活したこともあり、トレンドは急速に衰退していった。
ダンプバルブ
ダンプバルブは、ターボチャージャー付きエンジンをチューニングする上で重要な役割を担っている。スロットルを戻したときに圧縮ガスを逃がし、ターボが素早く回転して即座に反応できるようにする。主にラリーでチャタリングなどの「音」で注目を集め、真似をする人が続出した。 1990年代のほとんどのターボ車にはダンプバルブを簡単かつ安価に取り付けることができ、金曜日の夜になると、各地で口笛のようにチャタリング音を聞くことができた。多くの場合、性能には特に影響しないため、機能性よりも音が好まれているのだろう。
ボンネットダクト
古いクラシックカーでは、エンジンを冷やすシンプルな方法としてボンネットにダクトが付いていた。しかし、1986年にフォード・シエラ・コスワースが登場して以来、欧州ではスポーツカーの必需品となった。 シエラ・コスワースではエンジンルームへの空気取り入れ口として有効だったが、アフターマーケット品では、ただ取り付けるだけのものも多い。また、むやみに穴を開けるよりも大型のラジエーターを装着する方が効果的だ。
フリップペイント
1990年代、塗装技術の進歩により、フリップペイント(偏光性塗料)が簡単かつ手頃な価格で行えるようになった。ツートンカラーなどとは異なり、偏光効果を利用して、角度によって色が変わって見えるものだ。 TVRはいち早く市販車にこの技術を採用し、MGなども後に続いた。フリップペイントで再塗装された改造車も多く見られたが、カスタムの手法が増えたこともあり、知らぬ間に衰退していった。