海外で話題を集めた「クルマの流行」 おしゃれアイテムから悪趣味な改造まで 34選 後編
リアウィンドウルーバー
リアウィンドウのルーバーもまた、実用性を重視した流行である。階段状のスラットによって、窓から差し込む日光や熱を防ぎながら後方視界を確保するものだ。 このスタイルをいち早く採用したのはランボルギーニ・ミウラで、ロータスもエスプリに採用している。こうしたメーカー純正のルーバーはクルマのデザインに綺麗に溶け込み、カー用品店でも売られている後付けのものとは対照的だ。一部の社外品は、隙間が大きすぎたり、視界を遮ったり、空気抵抗を増大させてしまう。
ポップアップ・サンルーフ
戦後のクルマ社会において、サンルーフはどちらかというと上流階級的なものとみなされていた。アフターマーケットで手に入るものといえば、折り畳み式のベバスト(Webasto)タイプのものに限られており、価格も高かった。やがて、ガラスやプラスチックの普及と大量生産により、安価なポップアップ式が選べるようになった。 ポップアップ式サンルーフは1970年代初頭に登場し、どんなクルマにもたちまちシックな雰囲気を添えたが、雨漏りすることが多かった。自動車メーカーの密閉性の高いサンルーフの開発に追われたが、1990年代に入ると、ポップアップ式よりもさらに汎用性の高いスライド式に取って代わられ、数を減らしていった。
ドリフト用シフトレバー
日本のサブカルチャーとして始まったドリフトのスタイルの1つに、シフトレバーを延ばすというものがある。本来は、ドリフト走行中のシフトチェンジの際にレバーを握りやすくするためだった。それがやがて個性をアピールするためのスタイルとして定着していったのだ。 今でもドリフト愛好家の間では人気があるが、既存のショートレバーを長くしても特に利点はない。かえってレバーが重くなり、素早い操作を妨げていると感じる人もいる。
ガーフィールド
『ガーフィールド』は、米国の漫画家ジム・デイビス氏が描く新聞連載用の漫画である。デイビス氏は、欧州のスヌーピーに相当するキャラクターを作り、犬ではなく猫の飼い主にも楽しんでもらおうと考えた。このアイデアは見事に当たり、数多くのグッズが販売されるほどの人気作品となった。 吸盤付きのガーフィールドのぬいぐるみ人形「スタック・オン・ユー(Stuck On You)」は特に有名だ。実は、当初は吸盤ではなくマジックテープを採用し、カーテンやクッションに貼り付けられるようにする計画だった。ところが、試作品の段階で誤って吸盤が付けられてしまったのだ。 デイビス氏はこの吸盤のアイデアを採用し、1987年に発売した。何百万人ものドライバーが購入し、愛車の窓に付けるようになった。多くの人を笑顔にしたが、一番笑ったのはデイビス氏だろう。彼はこのグッズのおかげで5000万ドルを稼いだのである。