ジェルネイル かぶれやかゆみ 爪の先の剥がれに注意 アクリル樹脂によるアレルギー…喉粘膜が炎症することも
教えて!ヨミドック
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。今回のテーマは「ジェルネイル」です。 【図解】日光を浴びて発症する光線過敏症とは
Q ジェルネイルで爪を飾りたいな。 ヨミドック いいですね。でも作業時に素材が肌に触れないよう気をつけましょう。
Q どうして? ヨ ジェルネイルの素材には、アクリル樹脂が使われています。通常は液体ですが、紫外線(UV)や可視光線が当たると固まる性質があります。固まる前は、物質を構成する分子が大変小さいため、直接触れると皮膚の中に浸透します。 Q どうなるの? ヨ 皮膚のたんぱく質と結びつき、免疫細胞が異物と記憶します。再び樹脂に触れると、その部分を免疫細胞が攻撃し、アレルギー性接触皮膚炎が起きることがあります。 Q どんな症状? ヨ かぶれてかゆみが出たり、爪の先が剥がれたりします。十分固まらないまま樹脂がついた手で顔や首に触れると、そこもかぶれます。揮発した気体を吸い込むと喉の粘膜が炎症を起こし、呼吸が苦しくなる恐れもあります。 Q どうすればいい? ヨ 皮膚に直接触れたり、吸い込んだりしないよう作業時に手袋やマスク、メガネを着けることを勧めます。素材を塗布したら、爪の裏側や側面にもしっかり光を当てて、完全に硬化させます。触れてしまった時は、すぐにティッシュなどで拭き取り、せっけんと流水で洗い落とします。かゆみや息苦しさなどを感じたら、すぐに使用を中止して、皮膚科を受診しましょう。
Q 他に注意する物は? ヨ 最近、アクセサリーを手作りできるキットが人気を集めています。液体を型に入れて光を当てて固めるタイプで、好みに応じて色合いやパーツを組み合わせられるのが特長です。これにも樹脂が使われており、厚生労働省による家庭用品での健康被害のまとめにも皮膚障害が報告されています。また、一部のイヤホンにも製造過程で使われる接着剤に樹脂の成分が微量ですが含まれており、かぶれる恐れがあります。 Q アレルギーと診断されたら? ヨ 樹脂でアレルギーを発症すると、歯科治療で使われる樹脂でもかぶれることがあります。事前に歯科医にアレルギーがあることを相談し、樹脂が口の中の粘膜や皮膚につかないよう施術してもらいましょう。(東礼奈/取材協力=松永佳世子・藤田医科大名誉教授、河上強志・国立医薬品食品衛生研究所室長)