パリオリンピックで注目すべき建築10選。
〈パリ・ラ・デファンス・アリーナ〉
オリンピック競技種目:競泳、水泳 パラリンピック競技種目:パラ水泳 住所:99 Jard. de l'Arche, 92000 Nanterre
6:〈ヘルツォーク&ド・ムーロン〉が手掛ける〈ヌーヴォー・スタッド・ド・ボルドー(Stade de Bordeaux)〉
オリンピック中には、パリ以外の地方都市でも予選が行われるが、その中で、建築好きなら見逃せないのが、2015年に完成したボルドーの新スタジアムだ。北京オリンピックの〈北京国家体育場〉や、ミュンヘンの〈アリアンツアリーナ〉など、一度見たら忘れられないスタジアムを始め、幅広いプロジェクトを世界各地で手掛ける、〈ヘルツォーク&ド・ムーロン〉が設計した。 最も印象的なのは、真っ白な建物の構造を支える、千本以上の白い梁。ボルドーの南西に広がるランド県の松林と、〈ギリシャ神殿〉をイメージソースとしている。白い柱に囲まれ、内と外の境界が曖昧な姿は、明るさと開放感、そして優雅さを湛えている。最大42,000人の観客席が、フィールドを囲むようにボウル型に作られ、客席の上の屋根、大階段の傾斜など全てのラインがスムーズかつシャープに描かれている。 スタジアムのある土地は湿地帯であるため、地中には22mの鋼管の根を945本も下ろしているという。その制約により、コンクリートよりも軽いメタル建材による構造が選ばれ、平坦で広大な景観の中に軽やかに溶け込む。 サッカーチーム「ジロンダン・ド・ボルドー」の本拠地として、また、エド・シーランやミューズなどのライブ会場として、ボルドー最大のイベント施設は大活躍している。
〈ヌーヴォー・スタッド・ド・ボルドー〉
オリンピック競技種目:サッカー パラリンピック競技種目:なし 住所: Cr Jules Ladoumegue, 33300 Bordeaux
7:パリのシンボルのふもとが競技会場に〈エッフェル塔スタジアム(Stade Tour Eiffel)〉
祝祭の街、パリの象徴とも言えるアイコニックな存在の〈エッフェル塔〉。パリオリンピックの期間中も、開会式、マラソンコース、そして、塔のふもとに仮設されるオープン競技場でのビーチバレー競技と、さまざまなシーンで主役として注目され続ける予定だ。 〈エッフェル塔〉は、1889年のパリ万博に際して行われたコンペでギュスターヴ・エッフェルらの案が採択されて建造された。その背景には、産業革命以来、先進各国で繰り広げられていた、国家の威信をかけた高層建築の高さ競争があり、それまで世界一の高さを誇っていたアメリカの〈ワシントン記念塔〉の2倍近い300メートル超の鉄の塔は、世界中の注目を集めた。 五輪開催中は、〈グラン・パレ・エフェメール〉と〈エッフェル塔〉の間の〈シャン・ド・マルス庭園〉に、仮設のビーチバレー競技場ができる。パリ祭の花火なども行われる、祝祭のシンボルのような〈エッフェル塔〉だけに、五輪中もその姿がパリの象徴として注目され続けられるはず。