パリオリンピックで注目すべき建築10選。
〈パリ市庁舎〉
オリンピック競技種目:マラソン パラリンピック競技種目:なし 住所: Place de l’Hôtel de Ville 75004 Paris
10:スポーツと文化の融合を体現する〈ヴェルサイユ宮殿 (Château de Versailles)〉
パリの南西22kmに位置する、フランス最初の世界遺産〈ヴェルサイユ宮殿〉。フランス国王ルイ14世が、1661年以降、マンサールとル・ブランに建築を、アンドレ・ル・ノートルに造園を命じ、豪華なバロック建築の城館と、広大かつ華麗なフランス式庭園が出来上がった。 815ヘクタールの庭園の、宮殿から真っ直ぐに伸びた線上にあるフランス式庭園で馬術競技と近代五種競技が行われる。庭園は、城館の近辺にはいくつもの噴水が点在し、遠くに行くに従って、運河や森が広がる。城の中心の鏡の間から庭園を望むと、地平までまっすぐの水の線が伸び、両側に緑が広がる、完璧な左右対称の景色となっている。真正面の城館からは3km離れた、普段は観光客がほとんど訪れない場所に、馬術の仮設競技場ができるという規模の大きさだ。 大会に向けて、〈ヴェルサイユ宮殿〉では、ルイ14世の騎馬像を修復したり、城の正面の金箔を貼り直したり、庭園内を整備したりと準備万端だ。大会最終日のマラソンの折り返し地点もヴェルサイユ宮殿。今回の五輪会場の中でも最も歴史的な場所で、大会の謳う「スポーツと文化の融合」を具現している。
〈ヴェルサイユ宮殿 〉
オリンピック競技種目:近代五種、馬術 パラリンピック競技種目:パラ馬術 住所: Place d’Armes 78000 Versailles
text_Izumi Fily-Oshima editor_Keiko Kusano, Naoki Nakajima