Qシリーズ24位で後半戦に向かう渋野日向子は米ツアー出場権を得ることができるのか…前半戦から見えた可能性と懸念材料
その翌週の「日本女子オープン」では予選ラウンドで畑岡や2011年「全米女子オープン」などメジャー2冠の柳簫然(ユ・ソヨン)と同組で回り、さらにアメリカへの思いが強くなった。 「奈紗が柳簫然さんと英語で話しているのを見て、うらやましいと思った。世界レベルを日本で見られたし、世界ってすごいと思った。世界に行ってみたいと思った」 心は米ツアーに大きく傾いた。 1年延期となった今回のQシリーズには、8月9日時点の世界ランキング75位以内の資格で出場している。日本からもう一人、挑戦している古江彩佳(21、富士通)は国内ツアーの最終戦「JLPGAツアー選手権リコー杯」に出場してからの渡米だったが、「Qシリーズが今年一番の目標」と言い続けてきた渋野は、最終戦を欠場して時差ぼけ解消も兼ねて一足早く米国入り。後半戦の会場となる同じアラバマ州ドーサンのハイランドオークスGCでの下見ラウンドも行っていた。 さて3日間の休養を経て9日から始まる後半戦の4日間で渋野は、45位以上で米ツアー出場権を得てさらに4つ順位を上げ20位以内に食い込むことができるのだろうか。後半戦はスコアは持ち越しで24位からのスタートとなる。 「来週は来週で難しい。切り替えて準備したい」 渋野は「切り替え」という言葉を使い、それを後半戦のテーマとした。 後半戦に入れば、また新たなプレッシャーが襲ってくる。最大の敵は、そことの戦いだろう。そして平常心で難コースにどう対応するかの技術も求められる。 コースを下見して最も警戒するのは「前半のコースとは比べ物にならないくらいある」というグリーンの傾斜で、「ラフも密集度があり、より高いレベルのゴルフが求められる」と気持ちを引き締めた。 渋野の世界ランキングは39位で、出場選手の中では、15位の古江、18位のアタヤ・ティティクル(タイ)に次いで3番目。格付け通り、つまり、渋野が普段の実力を出すことができれば、20位以上の結果につながることになる。 メンタルが大きく左右するゴルフという競技。 「20位以内には絶対に入らないといけないので、1日も無駄にできない」 最大の敵は自分自身だ。