花街の風情残す 国宝・彦根城の城下町に広がるレトロな歓楽街 彦根市・袋町 関西の路地
近江ツーリズムボードの内記真美さんは説明する。
今年3月に始めた事業第1弾は、「彦根はしご酒クーポン」。JR彦根駅構内の彦根市観光案内所などで6千円のクーポンを購入すると2店で各1回、または、1店で2回利用できる。基本、店での会計はない。
現在、スナックとバー10店舗が参加。また、夕食(お食事店6店)とセットになった「彦根はしご酒クーポン付きディナー」(1万1000円)もある。
内記さんは「未知の店では、『予期していない法外な料金請求に遭うのではないか』と心配になる方もいると聞く。インバウンドや初めての人にも安心して楽しんでもらおうと企画した」という。
同クーポンに参加するスナック「さくらんぼ」の小池さんは、「もともと『一見さんお断り』ではないが、新規のお客さんを期待している」という。
同ディナーに参加する和食料理店「粋兆(すいちょう)」店主で、滋賀県社交飲食業生活衛生同業組合理事長の水長秀行さん(51)は「まだ、大きな変化はないが、彦根城は大きなコンテンツ」といい、今後に期待する。
■「はしご酒」や日本独自の食文化を解説
「彦根はしご酒クーポン」事業に合わせて近江ツーリズムボードは、インバウンド向けの3本のPR動画を制作した。「はしご酒体験」と「スナックマナー解説」(日本語字幕あり)、「和食マナー解説」(同)で、はしご酒の大まかな流れと、料金体系、店内マナーなど日本独自の食文化を解説している。
近江ツーリズムボードの内記さんは、「ナイトタイムに楽しめるコンテンツが少ないこともあり、観光消費額の伸びが停滞している。初めての方や外国の方でも安心して、気軽に入店できるようにと、地元の専門業者に依頼して作成した」と話す。
3本とも出来栄えはよく、夜の袋町の宣伝にもなっている。
YouTubeの「Visit Omi-近江美食チャンネル」で検索すると視聴できる。(野瀬吉信)